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第63話

2曲目も終わり、しばしブレイクタイムです。

飲み物片手に談笑する人もいれば、食事に手を出す人もいます。

次のダンスの相手を探す人もいて、私は多くの貴族令息に囲まれてしまうだろうと思って身構えていました。


はい、自惚れでした…。

チラチラと私を気にしている人は勿論いるにはいるけど、誰も声を掛けてこない状況です。

よく考えてみると、殿下の『安易に声を掛けるなよ』的な宣言もあったし、皇太子の婚約者にダンスを申し込むのって敷居高すぎるよね。

時期国王のフィアンセに手を出そうとしていると思われたら、出世に響きそうだし…。


まぁ、そういうことなら暇になるしアニーやシェリーとお喋りでもしようかなと思ったら、来ちゃいましたよ、オーウェン様が…。


「エリエス嬢、今日は一段と綺麗だね。よければ、次のダンス相手に選んでもらえないだろうか?」

魔性の笑みを浮かべながら、手を差し出されました。

美形すぎるのも胡散臭い感じがしてよくないのね…。

レイリー様の気持ちを思い知れ!と思って断ってやろうかと思ったけど、アニーを誘ったことも気になってしまって、とりあえず受けることにしました。

「今回は特別ですよ。」

軽く睨みつけながら、渋々受けた感を出してやりました。

オーウェン様の完璧な笑顔が一瞬ヒクついたので、少し清清しました。


ダンスが始まる直前に周りを見渡すと、シェリーは生徒会役員の別の先輩の誘いを受けたようでした。

無難な選択をしているなぁ。

でも、将来有望で殿下の側近になりそうな人が多いから、性格がねじ曲がってない人だったらいいけどね。


アニーがカインとペアになっているのを発見。

どっちから誘ったんだろう?

この2人がいい感じになるなら喜んで応援しちゃうけどね。

入学前から顔見知りだから、相手のことをよくわかっている訳で、そのうえで愛し合うなら最高だよね。

ただ、カインは将来騎士団長とかまで出世しそうだけど、男爵令嬢との結婚って、親に止められたりしないのかな…。そんな理由でアニーを諦めるなら軽蔑しちゃうかも。

まぁ、どっちから誘ったのかもわからないし、知り合いだから誘っただけという可能性もあるもんね。


あ、メローナ先輩もペア組んでる。

お相手は私のクラスメイトのリドル伯爵家三男のカルスくん。貴族としては珍しい引っ込み思案なメガネの子だ。女子と目が合うと顔を赤くして視線を逸らしてしまう初心っぷり。

絶対メローナ先輩から誘ったよね…。

そこにいくかぁ。年下でも関係ないのね。

カルス君、顔が真っ赤だけど嫌そうではないからよかったよ。

メローナ先輩は気さくでいい人だし、カルス君は女性のほうからグイグイ来てくれたほうが上手くいきそうだから、案外いい組み合わせなのかも。


キョロキョロしている私の耳にオーウェン様が顔を近づけて囁いてきました。

「さぁ、曲がはじまるよ。ダンス中は僕に集中してくれると嬉しいな。」

私は殿下一筋ですからね、ときめいたりしません。

ただ顔が反則級すぎて直視すると赤面しそうなので、目を合わせないように頷いておきました。

曲が始まると、オーウェン様は優雅に私をリードしていきます。

私はペースに呑まれないように、質問を投げかけました。

「どうしてレイリー様のお誘いを断ったのですか?」

「あれ、僕のことを気にしてくれていたのかい?」

「違います。レイリー様のことを気にしていたのです。」

「つれないなぁ。彼女とは接点もほとんど無いしね。ファーストダンスの相手をして噂になっても面倒だと思ったんだよ。」

「それで家格も釣り合わないアニーなら変な噂は立たないと判断されたんですか?」

私の言葉には、怒りの感情がのってしまいました。

「エリエス嬢が親友として選んだ女性に興味があったんだよ。」

「オーウェン様は見た目がよすぎるのですから気をつけてください。相手に叶わない夢をみさせるのはダメですよ。」

「どうして叶わないと?」

「だって、公爵と男爵では…。」

「意外だな、エリエス嬢はそういうことを気にしないから準男爵の令嬢と仲良くなったと思っていたのだけど。」

「私は気にしませんけど、家族に反対されたら幸せになれないと思いますし。」

「僕はそうは思わないよ。大事なのは自分の気持ちさ。」

むむ、いいこと言うじゃない…。

「では、アニーにもチャンスがあるのですか?」

「アニー嬢がエリエス嬢より魅力的に感じるときが来るならね。」

また、こういうこと言う…。

「私は殿下と結婚するのですから、諦めてください。アニーはお勧めですよ。」

「他ならぬエリエス嬢からのご推薦だし、覚えておこう。」

なんか、冗談なのか本気なのか全然つかめないんですけど。


話に夢中になっているうちに、3曲目は終わってしまいました。

無意識でも足を踏んだりせずに踊れたのは、アニーとの特訓のおかげです。


オーウェン様と離れたので、少し休憩したいと思い飲み物を取りに移動していると、カインに声を掛けられました。

「エリエス、次は俺と踊ってくれないか?」

3曲連続とは、さすが体育会系だね…。

「いいですよ。」

これを機にアニーとシェリーのことを聞いてみようと思い、私は誘いを受けました。


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