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第24話

殿下は快くアニーの参加を認めてくれました。

よし!これで王族にアニーの素晴らしさをアピールできるよ。

未来の陞爵に向けて、下地はつくっておかないとね。

アニーは驚くだろうけど、今のアニーなら大丈夫。

なにせ、私より淑女らしい淑女だからね…。


そうだ、魔石のことを殿下に報告しておかないと。

「殿下、実はここに来る途中にサンズグレイスの咲く区画があったのですが、ご存じですか?」

「サンズグレイス?すまない、あまり花には詳しくなくてね。」

「そうですよね、私も実物を見たのは初めてでしたから。それで、興味をもってよく観察していたところ、1つだけ他と違う様子の種をみつけまして採取してまいりました。」


私はシエナに視線を送ると、シエナは殿下の前に太陽の魔石を差し出した。

太陽の魔石は今も淡い光を放っています。

殿下も初めてみるのか、不思議そうに観察しています。


「わずかではありますが、光と熱を放出しているようなのです。これは既知の魔石なのでしょうか?」

「私も聞いたことが無いな。もし新種の魔石だったなら、凄いことだよ。名誉勲章を授与されるレベルじゃないかな。」

「そんなに凄いことなのですね。王城の庭園で採取したものなので、所有権は王族にあると思います。殿下に預けますので如何様にもお使いください。」

「これは魔石研究所に預けて調査してもらうよ。エリエス嬢の功績が評価されたら私も嬉しいからね。」

殿下は自分のことのように喜んでくれていました。

私も嬉しくなり、きっと次にギフトのことを伝えるのは殿下になるのだろうと予感したのでした。



後日、アニーにサンズグレイスについて聞いてみると、さすが生花の商いをしているだけあって知っていました。

なんでも、遙か東方の島国に咲く花で、最近になって行商人が種を持ち込んだようです。

アニーの商家でも、株数は少ないけれど販売用に育ててはいるみたい。

ギフトで新種の魔石かもしれないものを発見したことを伝えると、アニーは興奮していました。

なので、今度エントラの繁殖場を見に行くときに太陽の魔石が宿っていないか確認してあげる約束をすると、久しぶりに植物大好きっ子アニーの素で喜ぶ姿が見られて嬉しくなりました。


そうそう、殿下とカインとボートに乗りにいくことを伝えないとね。

「アニー、まだ日程は決まっていないのだけど、近々アーランド殿下とロードナイト伯爵家子息のカインと私とアニーで近くの湖畔に遊びにいくことになったの。」


アニーはキョトンとしていたかと思うと、みるみる表情が強ばっていきました。

「ど、どういうことですか?なんで私なんかが王族と一緒に遊びに行くことに!?」

あらあら、アニーってば淑女の仮面が剥がれちゃったよ。まぁ、驚くよね…。

「『私なんか』なんて言わないで。アニーは私のただ一人の親友なんだから、殿下にも紹介しておきたいもの。それに王族や上位貴族と懇意にしておくことは悪いことじゃないわ。」

「そうかもしれないですけど、急にそんな、困ります。」


慌ててるなぁ。

でも、アニーにはこういう付き合いにも慣れていって欲しい。

私と対等の友達になるんだからね。いつまでも王族にびびっていてはいられない。

「アニーは男性2人のところに私1人を行かせるのね?心細いよぉ…。」

「そんな言い方、ずるいです!もう、わかりましたよ。行きます、行けばいいんでしょう。」

アニーはプンプンしていますが、私は嬉しくて抱きついちゃいました。

「アニー、大好きだよー!」

私の過剰なスキンシップにも嫌な顔一つせず、優しく受け止めてくれました。


「あの、私はこういう行事に参加した経験がないのですけど、当日はどのようなコーデが求められているのでしょうか?」

覚悟を決めたものの、知識がなくて心配なアニーが尋ねてきました。

実は私もエリエスも経験がないからわからない…。

誰に聞くのがいいかな?

お母様は生育歴からすると経験がないかもしれないので、案外シエナがいいかも。


「私も経験がないので、シエナに聞いてみましょうか。」

「確かにシエナさん、大人の女性というか、経験値高そうですよね。」


私たちの浅はかな希望的観測による判断が、この後たいへんな事態を招くことになろうとは…。

このときの私たちには予想もできませんでした。


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