シンジノア・シャーク 2
「ああ、面白かった」
シンジノア、いや、ルイス・アクレナイトはまだ涙を流して笑っている。
「さっきのお前の顔と来たら(笑)」
「ルイス様、いえ、シ、シンジノア様は最初からこの部屋にいらっしゃったのですか?」
サツキナは頭が混乱して来た。
「カーテンの陰に隠れていたんです。ずっと。あなたが来たら兄は私を呼ぶ筈だったのに、この男と来たら、図々しくも指輪まで渡そうとして……」
「指輪があると言っただけだ」
「私が声を掛けなかったらベッドに押し倒す積りだったでしょう!」
「そんな事は無いよ。それはお前の考え過ぎだ」
そう言って笑っている。
散々笑った後で本物のルイスは二人に言った。
「では、本物のルイス・アクレナイトは今夜はステラの部屋で休む事にする。お前達はここでゆっくりと過ごすがいい。サツキナ姫。あなたを騙して悪かった。どういう事なのかシンジノアに説明をしてもらいなさい」
そう言うとルイスはガウンを羽織って、はははと笑いながら部屋から出て行った。
サツキナはシンジノアに向かい直ると首を傾げた。頭の中には「?」のマークが一杯並んでいる。
シンジノアはサツキナの手を取る。真っ直ぐにサツキナを見てふっと微笑んだ。
「ようやく見付けたんだ。君を。……サツキナ姫。……いや、峰 沙月さん。君は前世を覚えているだろうか?」




