サツキナの決心 2
部屋に入るとシンジノアが立ち上がってサツキナを招いた。サツキナの手を取りじっと顔を見詰める。その目は優しくそして喜びに輝いていた。
「サツキナ姫。本当に私の妻になってくれるのですね?」
シンジノアは言った。
サツキナは頷いた。
「はい。魔族ではありますが、シンジノア様がそれでも良いとおっしゃってくださるのなら」
サツキナはそう言って真剣な眼差しでシンジノアを見上げた。
シンジノアはサツキナの前に跪くとその手を取って言った。
「私はあなただけを一生愛して大切にするだろう。そしてあなたの国もあなたと同じ様に愛するだろう。それをあなたに誓います」
そして顎に掛かる布を持ち上げサツキナの手にキスをした。立ち上がるとサツキナの頬に触れて言った。
「あなたにキスをしてもいいだろうか?」
サツキナは頷く。
「目を閉じて」
シンジノアは囁いた。サツキナは目を閉じる。布を捲る気配がして彼の唇がサツキナの頬に触れた。
「さあ、サツキナ姫。夜は長い。酒でも飲みながら少し語ろうでは有りませんか。私はあなたの事を知らない。あなたも私の事を知らない。私はあなたの事なら何でも知りたいと思うよ。そして語り疲れたら一緒に眠ろう」
シンジノアはそう言って、グラスにワインを注いだ。
「ん? 君にはオレンジジュースの方がいいかな?」
「いえ。これで結構です」
「私とあなたの幸せな結婚を祝って」
二人はグラスを合わせる。
サツキナはグラスを持つと一気にがばっと飲み干した。
プハーっと息を吐く。
シンジノアはその様子を驚いた顔で見ている。
「もう一杯ください」
ぐいっとグラスを差し出す。
彼はくすくすと笑うとグラスにワインを注いだ。
「男女の営みの事を考えて緊張しているのですか?」
サツキナはびくりとする。
「心配しなくてもいい。私がじっくりと教えてあげよう。手取り足取りね」
サツキナが耳まで真っ赤になってうつ向いていると、シンジノアはその頬に手を伸ばした。
「それでは、お互いの話は後にして初夜の練習を先にしますか?」
サツキナは手に持ったワイングラスを口にするとごくごくとそれを飲み干した。
手の甲で唇を拭うと「分かりました。宜しくお願い致します」とシンジノアを見詰めた。




