ルイスが消えた?
ハアロ大将軍の家から帰ってきたリエッサは言った。
「フロレス武官よ。書簡を持ってすぐにブラックフォレスト王国へ出向き、ルイス、及びダンテ王に届けるのだ」
フロレス武官は跪いて「御意」と答えた。
首を長くしてルイスからの返信を待っていたリエッサ王妃にようやく知らせが届いた。
使いに行ったフロレス武官は苦悩をその顔に滲ませて言った。
「リエッサ王妃。確かにレッドアイランドの第三皇子はブラックフオレスト王国に留まっておられたという事です」
「おられた? ではもう帰ったのか?」
「その辺りは……。ただ、私が訪れた時にはいらっしゃらない様子でした」
「それではやはりサツキナ王女はその方とご婚約を?」
「それがちょっと話がよく見えないのですが……」
フロレス武官は額の汗を拭いながら言った。
「何が?」
「ダンテ王は何も教えてくれなかったので、副隊長のガジールに聞いたのですが……ガジールも良く分からないと言って」
「もうよい。兎に角ルイスからの書簡を見せよ」
リエッサ王妃は苛々として言った。
フロレス武官はますます困惑する。汗がたらたらと流れる。
「リエッサ王妃。その、申し訳有りません。……ルイス様はブラックフオレスト王国にはいらっしゃらず、書簡は渡せませんでした。副隊長が言うには、ルイス・アクレナイト侯は既にブルーナーガに旅立ったと」
「な、何だと!!」
リエッサ王妃は驚く。
「どうして!?」
「その理由は一介の兵士である自分には分からないと、ガジールが……」
「……」
リエッサ王妃は開いた口が塞がらなかった。




