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ちょっと待ったぁ!

数日後の夕食時。

食卓にはダンテ王、サツキナ王女、ロキ、カラミス王子それとブラックフォレストの重臣達がいる。


ダンテ王、宰相のロベルト、大神官のネオサルト、それから当事者であるサツキナ(ヨハンはイエローフォレストに出張中)で相談をしてブルーナーガからの申し出を受けるという事が決まった。


それを今宵の夕食時に皆に知らせる事にした。


ダンテ王はブルーナーガからの申し出について話を出した。

誰も彼もが驚いた。

「800万ビルド!!」

「流石、ブルーナーガのオルカ国。驚く程の金額ですな」

カラミスは茫然としていた。

「だがしかし、何故このタイミングで……?」

誰もが疑問に思った。



「そもそもそのシンジノア様と言うのはどの様な方なのか」

「うむ。アクレナイト侯の話によると、とても好人物の様に思える」

ダンテ王は返した。

「私は嫁ごうと思っております」

サツキナがまるで「今日の午後はちょっとお出かけをしてきます」と言うのと同じ位のテンションで言った。

「ちょっとブルーナーガまで行って嫁いで来ようと思います」



「……サツキナ王女がそう言われるのであれば」

経済産業大臣が言った。

「800万ビルドは我が国の経済発展にはかなり有効です。それに残りの300万ビルドもそれで賄える。今回500万ビルドを払ってしまったら、もう我が国の金庫はすっからかんです」

「800万ビルドあったらウルティムス鋼の剣をもっと沢山仕入れられる」

国王軍大将が言う。


「ちょっとお待ちください!」

カラミス王子からちょっと待ったコールが出た。

誰もがカラミス王子を見る。

「本人を見た事も無いのに嫁ぐのですか?」

サツキナは頷いた。

「だって、800万ビルドですもの」

そう言って笑った。

「金で買われるのと同じだ」

カラミスは憮然として言い返す。

「仕方が有りませんわ。貧乏な国ですから。それで次の300万ビルドも賄えますわ。払いたくは無いのですが」

サツキナはそう言った。



「しかし……」

「しかし、何ですの?」

「ブルーナーガのオルカ国なら私も知っておる。そのオルカ国のシャーク宰相に次男などいなかったと思うが……」

カラミス王子は宙を見てぼそりと言う。

「えええっ!?」


誰もが驚く。サツキナは目を丸くする。ダンテ王は思わずフォークを取り落とした。宰相のロベルトは口に含んだワインを「ぶっ」と拭き出した。経済産業大臣は肉を取り落とし、国王軍大将のナイフが滑ってロキの皿に飛んだ。

誰もがカラミス王子をガン見する。

「い・な・い?」

「はい」



「サツキナ王女。ダンテ王。これは何かの陰謀かも知れません。本当にそのような御仁がいらっしゃるのか、これはちゃんと本人に会って確認をされた方が良かろうと」

カラミス王子はそう言った。

「確かにその通りだ。800万ビルドは確かに魅力的だが、これはちょっとおかしな話だ。まるで我が国の危機を察知したかの様な」

「ダンテ王。それは大神官様も仰せになられていた様にゼノン神の采配ですわ」

サツキナは冷静に返す。



「800万ビルドがあれば我が国は借金してまで集めた500万ビルドを払わなくて済みます。それに私がオルカ国へ嫁げば何かとオルカ国が我が国の後ろ盾となり」

サツキナがそう言うと

「そんなのは宰相が失脚してしまえば何にもならない」

カラミスは返した。



「宰相は失脚しません(何故なら国王の妹が宰相の妻だから)」

きっぱりとしたサツキナの態度にカラミスは苛々とする。

「王よ。アクレナイトの話など信用してはいけない。彼はリエッサ王妃の婚約者ですよ? ブラックフオレスト王国を搾取しようとしている国ですよ? 何を画策しているか分からない。これは罠かも知れない。ひょっとするとブルーナーガとグルになって何か良からぬことを企んでいるのかも知れない」

彼は断固として言った。



「す、すぐにアクレナイト侯を呼べ。謁見の間じゃ。オルカ国の使者も呼べ。サツキナ、ロベルト、謁見の間じゃ。済まぬがカラミス殿も一緒に来てくだされ」

ダンテ王は言った。



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