第93話 過去編④
戦闘は苛烈を極めた。
しかしそれは単なる序章だった。
現れる魔人の数は日に日に増えていく。
中には複数人で現れる事もあった。
ただ観察して居ると、脅威度の低い魔人もいた。
どう言うことかお付きの兵士に聞くと、脅威度の低い魔人は単なる平民らしい。
平民が攻めて来る事を驚いたが、魔人は呪いで人を殺す様になって居るらしい。
それはもはや魔物と変わらないじゃ無いかと思ったりもした。
敵の魔人が増える毎にこちらの被害も増えてくる。
複数の場所が襲われるとこちらもメインの攻撃隊だけでは対処出来ない。
少し戦力が劣るメンバーを向かわせなくてはならない。
そうなるとどうしても犠牲が出る。
親友や恋人を殺されて自暴自棄になるものも現れ始め、それは戦力の崩壊を示していた。
それでも相手の魔人は100人以上屠った。
それでもこちらのクラスメイトも12人の犠牲者を出して25人になっていた。
しかし、こんな事になればもっと動揺や絶望する者が現れそうだが、そうならないのは前にも言っていた心理操作みたいなものがあるんじゃ無いかと感じて居る。
魔人の襲来が小康状態となった。
偉い人が言うには一次攻撃隊が終わったのだろうという事だ。
話を聞くと
魔人が攻めて居るのは我が国だけではない、と言うか魔人国が有る中央大陸では遥かに多い戦闘が行われて居ると言う事だ。
他の国からも連絡があり、今は魔人国が体制を立て直して居る状況らしい。
そこで決死隊を募ってこのチャンスに魔王を討って欲しいとの事らしい。
僕達攻撃隊はそこに参加して魔王を倒す。
そうすれば今回の戦いはほぼ決着が着くと言うことだ。
僕達は覚悟を決めてそれに従う。
これ以上犠牲者を出さない様に。
中央大陸までは船を使う。
ルナと言う港町から船が出るらしい。
この国北部にも港のある街はあるのだが大陸まで向かうことは出来ないということだ。
それは大海には強力な水性の魔物が居て水中では僕達でも対処出来ないらしい。
なら何故ルナの街からは行けるかというと、ルナの街の船は水龍が曳航して居るからだとか……
水龍は水中最強生物なので大丈夫だそうだ。
ルナの街まではアーティファクトの乗り物を使う。
馬車で行ったら1ヶ月も掛かるそうだ。
6人乗りのバイクの様な乗り物で振動も激しく普通の人なら振り落とされてしまうだろう。
僕達はそれに乗りルナの街へと向かった。
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『破壊の衝動』は魔人王の性質に影響されます。
この時代の魔人王は好戦的な王の様です。
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後、誤字報告ありがとうございました。
とにー




