第83話 Cランク冒険者レイナード
レイナードside
私は伯爵家に生まれ、7歳の時に覚醒が確認された。
それからは戦闘訓練に明け暮れ、15歳でCランク冒険者となった。
私のユニークスキルは次元移動
単純な瞬間移動から次元の間を移動したりできる。
他にも次元を切り裂く様な使い方も出来る。
例えば瞬間移動で敵の前に現れ、次元を引っ掛けて元の位置まで戻るとその間の次元が引き裂かれる。
このスキルがあるので今回私が選ばれた。
相手がどんな手を使って来ようと次元に逃げれば問題ないはず。
それが軍本部の目論みだろう。
次元を斬る攻撃は強力だがあまり使い勝手が良いとは言えない。
私の通常攻撃力は普通に魔法に頼る分然程高くはない。
戦争には向かない能力だが今回の役割は全うさせてもらいます。
一般兵相手程度なら問題ないでしょう。
私が前線に立つと定期的な帝国からの散漫な攻撃が有る。
木の攻撃は基本的に無視をして良い。
暫くすると帝国の主力の攻撃が有る。
大型二足機動歩兵タイプのアーティファクトを使った重魔法部隊だ。
大きな箱に大きな足がついて敵を上から狙う事を目的とした兵器だ。
対するはススム君が用意したと言うキャタピラと言う特殊なタイヤで進む砲塔のついた装甲車タイプのアーティファクト。
よく数を揃えたものだと感心する。
上から狙われると不利かと思えば上方にシールドを展開しているおかげで上からの砲撃は効果が無い。
逆にこちらは足を狙う。
巨大な足は防御力も高いが関節を集中攻撃すると段々動けなくなって行く。
重兵器同士がぶつかりあった後が私の出番だ。
撤退する巨体に追い打ちをかける。
そしてそのまま流れ込んで敵陣にダメージを与える。
帝国の陣は国境から500メートルの所に作られる。
それ自体を誤魔化している様子は無い。
帝国から仕掛けてくるとしたらこのタイミングだろう。
私は次元破斬を使って一体の大型アーティファクトを破壊する。
斬るために接近が必要なので中々手間がかかる。
いくら転移で移動できるとしても相手も予想はしてるので不用意には近づけない。
そのまま敵陣地の近くまで切り込む。
そして敵陣地まで後少しと言うところでそれは起きた。
突然足元に魔法陣が現れたのだ。
成程、テレポートトラップか。
このケースも予想はして居たし次元を操る私にはすぐに理解できる。
この魔法陣によって帝国領地まで飛ばしてCランク冒険者の能力を無効化したのだろう。
だが予想をして居た私には通用しない。
転移先を計算して座標を私達の陣地に……変更できない!?
私の能力をジャミングするとは、いや違う、一時的にこの魔法陣で帝国の領地をここに持ってきてるのですね、外の地とも隔絶する術式も組まれている。
しまった、これでは無防備に。
貼って居たシールドを砲撃で壊され、私は弓と魔法の一斉射撃を浴びた。
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とにー




