第82話 帝国の策
感動の再会の陰で俺はその場を去ろうとした。
しかし、お姫様に止められてしまった。
助けてくれたお礼がしたいとの事だ
忙しいと丁重にお断りした。
実際やることが多すぎて忙しいからな。
落ち着いたら遊びに行くと約束してその場を立ち去ることとした。
ワルフェアに戻った俺に急報が入った。
どうやらボーヤン帝国との戦争の前線に出て居たCランク冒険者が三人ほど倒されたらしい。
Cランク冒険者でも無敵ではない以上倒されることはある。
しかし、立て続けに三人となるとちょっと異常だ。
まずは帝国の覚醒勇者が出てきた事を疑ったが、そうではない様だ。
俺が送った兵達も無駄に死なせたくはない。
状況を確認するために俺は忍者を送った。
ちなみに忍者達だが、もし致死量や気絶する程のダメージを負った場合、アイテムボックスに自動的に収納される様設定してある。
即死の場合は助からないが、それでも俺には通じる様になっている。
一応、命大事にの設定にしてあるので、今のところ死人は居ない。
これ以上の死人が出ると、イヴ達の投入も検討されてしまうかも知れないので、俺は情報収集に勤しんだ。
すると、解ったことがある。
どうやら倒されたCランク冒険者は、エリアオーバーが原因だった様だ。
しかし、当然彼らもその事は分かっているだろうし、気も配っているだろう。
実際の所エリアオーバーはどの様に影響するかというと、国境線を一歩越えたら力を失うと言うものではない。
国境線付近であれば問題ない。
具体的には500メートルだ。
500メートルを超えるとだんだん力が使えなくなっていく。
そして1キロ離れると常人並みになる。
だからCランク冒険者は500メートルに敏感だ。
超人的身体能力や直感があるのでそうそう間違えることもない。
と言う事は、何かの手段でそれを誤らせていると言うことだ。
簡単な攻略法は制約を外した覚醒勇者を使えば良いのだが、それは王宮にもバレてしまうだろう。
取り敢えず、どうやって見誤らせているのかを確認しないことには埒が開かない。
俺は前線に出るCランク冒険者と面談した。
「レイナードさん、少し話があります。」
彼はレイナード。Cランク冒険者だ
「なんだい、ススム君、」
割と気さくな性格の様だ。
Cランク冒険者には割と彼の様な常識人が多い。
強さが飛び抜けているので余裕が有るのだ。
「実は前線に出るに当たって、この魔道具を装備して欲しいのですが。」
「これは?」
「何かあった際に離脱する魔道具です。ここの所Cランク冒険者の犠牲者が出ている様ですから念には念をです。」
「解った。ありがたく使わせて貰おう。」
戦争に参加するCランク冒険者は逆に言えばまともな人が多い。
これで確認できれば良いが。
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まともじゃないCランク冒険者は言うこと聞かず好きな事してるんですよね。
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とにー




