第75話 ダンジョン移譲
「そこで提案が有る。」
傅いているグランデンに俺は話しかける。
「俺にこのダンジョンを譲らないか?」
向き直ったグランデンは憮然とした表情を見せる。
「それは一体どういうことですか?」
「それには幾つかの理由が有る、一つ目は国にある俺の支配しているダンジョンからダンジョンウォークでクスーラゥを即座にここに連れてくる事ができる。勇者である俺たちと違って一般人の彼女を連れてくるのは少し骨が折れる。」
「二つ目は貴方を元に戻す事ができる可能性がある。ただしその為には貴方の体の一部が残っている必要がある。それは骨とかでも構わない。」
「そして三つ目だが俺がその気に成ればルアシーンを取り戻す事ができる。これはトーレス王国に取っても良い事だからな。」
正直一と三はダンジョンマスターに成らなくても出来るけどね、二は完全に支配しないと出来ない事だ。
まぁ彼に取っては一と三が重要なんだろうけど……
「解りました。貴方にこのダンジョンのマスターをお譲りします。」
「それでは移譲してくれるか?」
「解りました。クスーラゥ様をよろしくお願いします。」
「了解だ。それで体の一部は有るのか?」
「この体に支配する際に私の体の一部を移植しております。」
「なるほどな、それならいけるだろう、ダンジョンマスターが移譲されたら一度その体を壊すぞ。」
「解りました、それでは移譲作業に入るのでマスタールームに行きましょう。」
いつの間にかグランデンの言葉が敬語に成ってるな。
まぁ主人として認められたのか……
俺達はダンジョンコアとコンソールのあるマスタールームに入るとグランデンがコンソールを操作する。
するとパネルが二つ現れる。
「そちらのパネルに手を……。」
指示された通りパネルに手を置くとパネルが光って、その光が俺の中に入ってくる。
そして光が収まった。
「これで移譲が終わりました。」
俺はデバイスを出して確認すると確かに俺の支配下にある事が確認出来た。
「では、春花!」
俺が指示するとグランデンを春花の光の剣が横薙ぎにした。
そしてアイテムボックスに入れると体の修復が始まる。
魂はダンジョンコアにある。
もう何度もやった作業だ間違う筈もない。
グランデンの復活まであと少しだ。
ではも一つの仕事をするとしよう。
俺はダンジョンムーブでワルフィアのダンジョンに飛ぶ。
そしてショートジャンプで領主館に。
待たせてあったクスーラゥとついでにミーリスも連れてルナのダンジョンのマスタールームに飛んだ。
そこでグランデンを解放するとグランデンはクスーラゥを見て傅いた。
「えっえっえっ。」
戸惑うクスーラゥを見て俺達は少し和んだ。
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書いてて思ったのはグランデンの解放ってワルフィアでも出来るなと、いちいちクスーラゥを連れてくる必要ないなとw
まぁいずれ連れてくるしここの方が劇的なのでそのままにしました。
少しでも面白いと思われましたりモチベーションにもなりますので、ブクマ、評価を是非よろしくお願いします。
とにー




