第68話 ルナの入り口
次の日もダンジョン攻略は続く。
5層は打って変わってゴーレムだ。
ロックゴーレムにアイアンゴーレムが現れる。
このダンジョンでは生命のあるものは出てこない。
アンデッドかゴーレムかスタチューと言われる彫像ばかりが現れる。
5層のゴーレムは硬くて耐久力はあるが動きは緩慢だ、それなら春花達の敵では無い。
6動のミスリルゴーレムやミスリルスタチューも似たような感じで、防御力や攻撃力は上がっているが対処出来ないほどではない。
問題は7層のバンパイアだ。
闇の眷属の名に恥じぬ攻撃力と防御力、霧化でこちらの攻撃を交わすし動きも素早い。
ここで俺だけ力を解放した。
ここからは時間の勝負だ。
レベル6魔法『エーテルキャノン』でバンパイアを薙ぎ払う。
霧化されてもその霧を更に消滅させる。
俺達はそのまま7層のボス部屋まで来た。
このボスを倒せばルナへの扉が開かれる。
ダンジョン自体は10層まであるのだがそこまで行く必要はない。
7層のボスはリッチだ。
多彩な魔法とシールド、色々な耐性を持つ強敵だ。
普通のパーティに取ってはだが……
対峙した俺は問答無用で『エーテルキャノン』をぶっ放す。
エーテルの奔流にリッチでさえも抗うことは出来なかった。
ここまで急いだのには理由がある。
ここのダンジョンマスターはあまりダンジョン内のチェックをして居ない様に思えるからだ、しかし全くしてない訳ではないだろう。
では何時するか?と考えた時、やはり昼か夜だろう。
それなら昼までに攻略すれば気が付いて対応される前にダンジョンを突破できると考えた訳だ。
そうすればこちらの能力も見られる可能性は低い。
それでも安全策を取って見られても良い俺だけ解放したのだが……。
無事ボスを倒した俺達は次の部屋に来て居た。
そこには階段と扉がある。
扉を潜ればルナの街だ。
俺達は扉を開いた。
そこは小さな部屋になって居て、更に扉がある。
そこを開くとすでに街の中に繋がって居てそこは開けた場所になって居る。
そして、俺達は衛兵らしき者達に囲まれて居た。
人数は10人ほど。
慌ててかき集めた様だ。
だから今でも少しづつ増えている。
俺は近くの衛兵に声を掛ける。
「俺はルナのダンジョンを通ってここに来た。一体これはどう言うことだ?。」
「今から隊長が来るので少し待て。」
衛兵は偉そうに言うと、程なく馬に乗った人物が現れた。
多分あれが隊長だろう。
その人物は俺達の前まで来ると馬から降りる事もなく話しかけて来た。
「勇敢なる冒険者よ、代官様がお会いになるそうだ。ついてくるが良い。」
そう言い放つと、踵を返して馬を進める。
仕方がなく俺達はその後を付いていく。
「偉そうな奴だね。」
春花は少しボリュームを落として愚痴るが、多分聞こえてるぞ。
まぁ聞こえる様に言ったんだろうけど。
衛兵は道を開けるが、取り巻く様について来る。
ビエラは結構怯えているが、他のみんなは堂々としたものだ。
イヴはビエラを慮っている。
先ほど聞いた台詞の中で重要なのは代官という言葉だ。
ここの領主はダンジョンマスターの筈だ。
つまりなんらかの理由で領主が不在ということだ。
海路から国外という可能性もあるが、その可能性は低い。
代官とやらに確認が必要だろう。
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トーレス王国と違って冒険者の地位は高くないです。
トーレス王国の衛兵は冒険者にこんな口は開きません。
少しでも面白いと思われましたらモチベーションにも成りますのでブクマ、評価よろしくお願いします。
とにー




