第66話 ルナダンジョン低層
同行には許諾したが一応彼女の事情を聞いてみる。
彼女の名前はビエラ、14歳だった。
お母さんが病に罹りそれをなんとかしようとしているらしい。
ルナべキアと言う薬草が効果があるらしいが、非常に貴重な上ルナダンジョンの7層以降にしか生えてないそうだ。
ルナダンジョンの7層は銀級冒険者パーティには荷が重い、金級かプラチナ級を雇ったらと伝えたら、そこまでお金はないと。銀級を雇うのが精一杯だと言われた。
そんな訳で強い銀級冒険者を探すためにギルドに来て居たそうだ。
そうしたら金級冒険者を軽くあしらう俺たちを見つけ、しかもルナのダンジョンに向かうと聞いて居ても立っても入れず勇気を出して訪ねて来たと。
まぁ辻褄は合ってるな。
ライトに聞かせたら号泣してた。
イヴも同情してた。
春花は訝しんでいた。
俺は……面白がって居た。
イヴは良い子だし、ライトはオンオフがはっきりしている。
オフの状態のライトはとても素直で良い子だ。
ちなみにボーヤン帝国の冒険者ギルドではジョブ登録が有る。
ライトと春花は剣士、イヴは魔法使い、俺は……召喚士で登録した。
次の日ビエラと馬車の停留所で待ち合わせをしてそのまま馬車でルナダンジョンへと向かった。
ダンジョンに入るのには最低銀級のライセンスが要る。それが俺達が銀級で有る理由だ。
ライセンスはやっぱりオンラインショップで買った。
ダンジョンの入り口でライセンスを見せて入る。ビエラの事はポーターと言うことにした。
中に入るとそこは岩肌の普通のダンジョンになっている。通路は5m程で全体的に薄暗くなっている。
俺はカーバンクルを呼び出して全員にシールドを貼る。このシールドも調整されて居て2レベルの物だ。
準備が出来たので前へ進む。
ビエラは俺の後ろにポジションされせた。
少し歩くと魔物の反応がする。「来るぞ。」
俺が告げると前衛の2人が戦闘体制に入る。
2人が持っているのは俺の用意したミスリルソードだ。
ここで出てくる魔物はオグルと言われるマッドゴーレムだ。
動きは鈍いが耐久力が有り攻撃力が高い。
この魔物からはランク4の魔石が取れる。
1層から強い魔物が現れるのが高難易度と言われる所以だ。
しかし、いくらステータスを絞っているとは言ってもこの程度の魔物に遅れは取らない。
前衛の2人でどんどん進んでいく。
「体が重いよー。」
春花は愚痴を言ってはいるが……
「2人は参加しないんですか?」
ビエラが尋ねてくるので俺は和かに返答する。
「あの程度の敵なら必要ない。」
俺達は2層に降りていく。
2層の魔物はガーゴイルだ。
ガーゴイルは飛行する為になかなか攻撃が当たらない。
ここではイヴの魔法が有効に成る。
サウザンド・ライトニング・ブレイクから派生したイヴのオリジナル魔法、ファイブ・ライトニング・アローが炸裂する。
この魔法は威力はそこまででは無いが、同時に5つの魔力を操る必要があってレベルが4と高い。
この高いレベルが重要なのだ。
実はガーゴイルは魔法防御力は高い。その魔法防御に対応するのが魔法のレベルなのだ。
通常のライトニングアローはレベル2の魔法だ。
ガーゴイルには3レベルまでの魔法は効きづらい。
しかしレベル4のファイブ・ライトニング・アローであれば通用するのだ。
イヴは、その5つの矢を別々の対象に放つことができる。
ガーゴイルは悉く破壊されて行った。
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ガーゴイルは硬く魔法も効きづらい難敵です。
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とにー




