第65話 ルアシーンの街の冒険者ギルド
俺はボーヤン帝国南西の街ルアシーンに来ていた。
滅ぼした国の名前を都市名にするとは帝国もなかなか趣味が悪い。
見せしめとでも言うつもりか?
俺達はその冒険者ギルドに来ていた。
この世界の冒険者のシステムは国ごとに違う。と言うよりトーレス王国が少し変わってるのだ。
ボーヤン帝国では石でランク分けされる。
石級から始まり銅級、銀級、金級、プラチナ級、ミスリル級、アダマンタイト級と成る。
俺達は銀級の冒険者タグを付けていた。
俺たちと言うのは、俺、イヴ、春花、ライトの4人だ。
俺達4人でルナの迷宮を攻略する。
ステータスはライトのスキルで弄ってある。
ここのギルドで登録してルナの迷宮に向かうのだ。
ギルド併設の酒場で俺達は話し合う。
「迷宮までは馬車で二日か。」
「ススムお兄ちゃん。車は出さないの?」
「今は目立つ事はしない。」
そんな話をしていると1人の厳つい冒険者が近づいてきた。
「見ねぇ顔だな、お嬢ちゃん可愛いじゃねぇか。こっちきてお酌しねぇか?」
「えー可愛いですかね。」
「そっちじゃねぇ、そっちの髪の長い方だ。」
言われて春花は頬を膨らませる。
「失礼ですね、確かにイヴお姉ちゃんは可愛いですけど。」
そうすると後ろで飲んでいた男達からも声が掛かる。
「俺達は金級冒険者だぜ、、ルナの迷宮なら俺達が連れてってやるよ。」
どうやら俺達は目を付けられて居たらしい。
あまり良く無い状況だ
こんな奴らはどうでも良いがあまり騒ぎは起こしたく無い。
「行くぞ。」
俺は退出を促した。
「はい。」
それに従ってイヴ達も立ち去ろうとするが、予想通りと言って良いのか男達が前に立ちはだかった。
「待てよ!」
しかし。俺がライトに目配せすると、俺達は普通に通り抜ける。
「あれ、あれ?」
酔っ払いの冒険者達には突然消えた様に見えただろう。
当然そう言うことも出来たが、大勢に目の前ではしない。
周りから見たら普通に横を通り抜けた様に見えてる筈だし実際そうだ。
ライトのスキルで金級冒険者の視界だけ消したのだ。
まぁその時奥の方でこちらを伺っている若い女の事も気がついては居たが、今は取り敢えずスルーした。
今日はもう馬車の出発は無い為、この街に一泊する事とする。
街のホテルに向かおうとすると、誰かが付けてくるのが解る。
と言うか、先程の少女だ。
しかし、俺はそれを無視してホテルに向かう。
イヴや春花も気がついた様だが、俺が何も言わないので黙っている様だ。
ホテルに着いた俺達は部屋を取る。全員個室を選択した。
俺が部屋で寛いでいると、部屋のドアがノックされた。
「どうぞ。」
誰とも聞かずに俺は入室の許可をする。
それの少し驚かれた様だが、静かに扉は開いた。
そこには先程の少女が立って居た。
俺は特に驚いた様子も見せずに聞いた。
「何か用かな?」
しかし、逆に彼女の方が驚く。
「驚かないの?仲間だと思ったんじゃ無いの?」
俺は平静に答える。
「いや、君が来ると思っていたよ。」
「なんで?」
「ギルドから付けてきてたよね。」
「気がついて居たんだ……実はお願いがあります。私をルナ迷宮に連れて行って欲しいんです。」
「良いよ。」
「急に言われても困りますよね……でもどうしても行きたい理由が……えっ、良いんですか?」
「良いよ。連れてってあげる。」
「ありがとうございます……」
何か納得して居ない少女だった。
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前回ガチャを挟んだのはこのメンツで街を出るとワルフェア守る人が居なくなっちゃうからなんですよね。
いずれ入れる筈だったガチャを投入しました。
少しでも面白いと思われましたらモチベーションにも成りますのでブクマ、評価よろしくお願いします。
とにー




