6話 バリアアタック
次の日の9時半ごろ、俺はギルドに向かった
女の子たちは既にギルドの中にいたので、簡単な挨拶の後ギルドを後にした
城塞門を抜けると道が開けている
平地門までは1キロほどある
俺は移動手段として大型のオフロード車を選択した
何かあったときに大型の方が安全だし、整備してない道を走るのだ。オフロード車の方が適してるだろう。それにシールドを貼れば大抵の魔物は対処できそうだ。
『この車、地球でもディーラーに問い合わせたんだけど2年待ちとか言われたんだよなぁ』
ちょっと3日前のことを思い出したりして手に入ったことに少し優越感を感じたりしてみた
まぁ隣で少女たちは驚いているが気にしない
この世界で移動手段としてアーティファクトを利用するのはそこまで珍しくない
Cランクだからこのくらいのアーティファクトを持っていても不思議ではないだろう
「乗ってくれ」
「すごいですね!これどうやって乗るんですか?」
ミーリスが尋ねてきたので『そういえば乗り方がわからんか?』と思って、後部座席のドアを開けてあげる
「すごい柔らかい椅子ですね」
2人が喜んでいたので「ああ、忘れてた」とカーバンクルを召喚して助手席に座らせる
「きゃー可愛い!」
そう叫んだのは、予想外にクスーラゥの方だった
クスーラゥはカーバンクルを引き寄せて抱きしめる
「きゃー、フワフワ」
「クスーラゥは可愛いのとフワフワなの好きだもんね」
横からカーバンクルの頭を撫でつつミーリスが教えてくれる
カーバンクルが嫌がっていないので俺は構わず車のエンジンを掛ける
そして車と言ったらやはりオーディオだ
なぜか某音楽配信サイトに繋がったので選曲の操作をする
選択するプレイリストはやはり覇権アニメだ
小気味良い音楽がスピーカーから流れる
動画サイトで最速何億回再生された曲だ
俺は音楽を聴きながら車を発進させた
他愛もない会話をしながらギルド証を提示して平地門を抜ける
さすがに門番も驚いてはいた
門を抜けると草原が広がっている。簡単に整備された道が、遠くの森まで続いていた。
このペースで走ると、10分もせずに着くだろう
しかし、森に近づいた時、森の中からゴブリンが現れた
「あれ、ゴブリンが森から出てくることなんて滅多にないのにね。」
ミーリスが訝しがる
ゴブリンがこちらに向かってくる。それは立ち向かってくると言うよりは、何かから逃げてくるような雰囲気だ。
俺はカーバンクルに車にシールドを貼るように命じ、そのまま突っ込む
3匹いたゴブリンは全員弾き飛ばされる
即死状態をそのままアイテムボックスにしまい、それを追いかけてきたであろう存在と対峙する
俺の車より一回り大きい猪だ
「あれはグレートボアね。ビックボアの上位種でDランクパーティーが狩る魔物よ
カーバンクルがシールドを貼るために、助手席に移動したので、手持ち無沙汰になったクスーラゥが教えてくれた
「ふむ、図体はでかいがさしたる脅威は感じないな。よし、このまま突っ込むか」
俺はアクセルを踏み込んだ
4輪駆動なので、4つのタイヤすべてに力が加わる
カーバンクルのシールドを貼りながら、車が加速してグレートボアに激突した。
そして、思った通り、グレートボアを弾き飛ばした
「凄いわね」
さして慌てる様子もなくクスーラゥが感心する
「心配じゃなかったか?」
「Cランク冒険者様がする事だから特に心配は無かったわ」
Cランク冒険者に対する信頼が半端ないな……
しかしこんな魔物まで森の外に出てくるとは、結構異変は進行しているんじゃ無いかと気合を入れ直した
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頑張って明日も上げたいです
とにー