第58話 Dランク冒険者バロックの日常②
Dランク冒険者バロックside
バロックだ
ワシは今日もまだ休みだがギルドハウスに来ている
しかし、いつもの5階ではない
ここのギルドハウスは6階建てで、1階から5階までがHランクからDランク迄順番に当てられている。Dランクのワシは5階だが今日は2階に来ている
Gランク冒険者のフロアだ。
ワシは休みの日にたまに下級冒険者の面倒を見ている。勿論ボランティアだ。
今日は初めて3層に挑戦するGランク冒険者パーティのサポートを頼まれた。
1層、2層と単一の魔物しか居ないのが3層からは複数の種類の魔物が出現する。
対処法の異なる敵に対する注意が必要なのだ
只今絶賛ブリーフィング中なのだが見知った顔が居た。
近くの壁際に一人の男が寄りかかっていたのだ。
最近よく飲み屋で会う顔だ。
遊び人のスーさんと名乗っていたがやはり冒険者だったか。
だが、Gランク冒険者な訳はない。あの店は超高級店だ。一回で1金貨掛かることも普通だ。
Gランク冒険者の財力で利用出来るはずはない。
しかも彼はいつも二人以上女の子を侍らせてチップに1金貨配っていた。ワシらでもチップは1小金貨がやっとだ。
ジロンの奴が悔しがってたっけ。
ワシに気付いたスーさんが近づいてきた。
「やぁバロックさん、新人冒険者のサポートですか?ご苦労様です。」
「おお、お主もかな?」
「ええ、見習いから昇格した子達の引率です。あぁ、来たようで、それでは。」
そう言って去っていく彼の元に4人の幼なげな少女達が集う。
「スーさん、よろしくお願いします。」
「あぁモーラ、任せとけ。」
「私達魔物はスライムしか狩ったこと無いんですぅ。」
「なぁにゴブリンだって変わりゃしないよ。」
成程、まだ成人前に昇格したパーティか。それじゃぁ心配になるだろうな。
そう思ったワシに今話し合っていた冒険者の子が話しかけてくる。
「バロックさん、遊び人のスーさんとお知り合いなんですか?」
なんだか羨ましそうに聞いてくる。
「あぁ、知り合いというほどでは無いがたまに出会うな。」
「本当ですか?良いなぁ。」
「彼の冒険者ランクは幾つなんだ?」
「冒険者ランクですか?誰か知ってる?」
話してた子が他の子に尋ねるが誰も知っている子はいなかった。
「まぁスーさんはスーさんですよ、すごく人気があるんです。」
「良い男だな、女の子にモテそうだな。」
「男の子にも人気があるんですよ。男の子には女の子の口説き方とか教えてくれるんです。」
「そうなのか?それじゃぁワシも語ってやろうか?」
「バロックさんがー?」
「ワシだって妻が居るからな女心くらいは……まぁ多分分かるぞ。」
今日のサポートは中々楽しいものとなった
ーーーーーーーーー
モーラ「魔物はスライムしか狩った事が無いんですよ(人なら刺し殺した事がありますけど)」
ススム「ゴブリンも変わらないよ(人とな)」
ススムはライトのスキルを利用して存在を歪めてます
少しでも面白いと思われましたらモチベーションにも成りますのでブクマ、評価よろしくお願いします。
感想とか頂けると例えネガティブなものでも喜びます
とにー




