第48話 遺跡都市
遺跡都市セントランス
ワルフェアの北東に位置する大都市だ
ここからは様々なアーティファクトが発掘されている
技術的にも王国最新の設備が使用されている
鉱石の販売先としてはとても適しているのだ
俺は今その領主館の応接室にいた
今から鉱石の売買について商談をするのだ
目の前の椅子に座るのはジェニファー、セントランスの領主にして素晴らしい美貌とスタイルの持ち主のBランク冒険者だ
「初めまして、ジェニファー閣下。」
「こちらこそ初めましてだ、ススム君」
「閣下はワルフェアの鉱山の事はご存知だったので?」
「勿論知らなかったよ。あの程度の金額の取引では報告には昇って来ない。後二桁は上の取引でなくてはな。」
これは普通に本当の事だろう
高ランク冒険者は自分の意思では王国の不利になる事はできない
遺伝子に刻まれているのだ
だが俺はイヴ達のことをまだ王宮に連絡して居ない
これは明らかに王国の不利益になるのだが……
「それではその二桁、いや三桁は上の話をしましょうか。」
俺が話を繋げると彼女は意外そうな顔をして言った
「君の領地で掘れる鉄、銀、金では例え全部金だったとしても二桁は変わらないが」
確かにその通りだ。
まぁ金インゴットが山程なら話は別だが、今まで鉱石で持ち込んでいるのだから今回もそうだと思うのが普通だ。
しかし、既に事情は違って居た
「先日大々的に調査をしましたらミスリル、ダマスカ鋼、アダマンタイトも取れることが分かりまして、後、溶解炉の設備も整えましたのでインゴットでご用意できます。」
「ほう、どのくらい用意できるのかな?」
「本日お持ちしているのはミスリルインゴット10、ダマスカインゴット5、アダマンタイトインゴット2になります。」
俺の回答にジェニファーは流石に驚きを隠さずに言う
「成程、それは二桁どころの話では無いな」
ジェニファーは少し考え紙に数字を書く
それには500mkと書かれて居た
「500ミスリル金貨でどうだ」
少し色が付いた金額だ
初回ということなのだろう
「ありがとうございます。それではこちらもおまけを付けましょう。」
俺はアイアンインゴットとシルバーインゴットを10づつ出す
「後で事務方同士で細かい金額の設定をしますか」
「了解した」
ジェニファーと握手して商談は終了した
「この後どうするんだね?」
ジェニファーが聞いてくるので俺は答える。
「少しこちらのダンジョンを攻略させて貰おうかと。」
「ここのダンジョンは深いからなCランク冒険者なら30層以降を行くが良い。」
「ありがとうございます。」
その日は夕食をご馳走になって明日ダンジョンに向かうこととなった
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少し秘密?に触れた回でした
少しでも面白いと思われましたらモチベーションにも成りますのでブクマ、評価よろしくお願いします
とにー




