第47話 光の剣
「イヴお姉ちゃん、やったね。」
春花はイヴに抱きついた
「ありがとう、春花」
イヴも嬉しそうだ
その時春花の爆弾発言がぶち込まれた
「これでやっと私も魔物をぶっ殺せるね」
「えっ春花、どうして?」
「だって私が抜けちゃったらイヴお姉ちゃん、困るでしょ。ただでさえ人見知りなのに。」
今までイヴは戦えない春花を守っていると思っていた
しかし、現実はイヴが春花に守られて居たのだ
「だって春花、スキルは?」
春花が戦えない理由としては最で有るチートスキルが発動しないと言うのがあったのだが
「ごめーん、嘘だったの。」
てへぺろしながら春花は右手を前に出す
するとその手に光の剣が現れた
「私のチートスキル、『ライトソード』ですぅ」
おそらく何でも断ち切れる光の剣、この剣は威力だけではなく様々なバフが掛かる。
身体能力は更に水増しされ剣術スキルも6レベルまで上がる。
剣術スキル6レベルは剣聖の域で有る。
体には薄い光の膜が貼られ、回数制限のシールドの様な効果がある
「お兄ちゃん、私もダンジョンに連れてって。」
上目遣いで、まるでスキーや野球場に行くことを強請る様に春花は言った。
危ない、俺が炉リコンだったらイチコロだったぜ
「もちろん良いよ。」
俺は冷静に言う
「嬉しいー」
そう言いながら抱きついてくる春花を受け止めて俺は春花に訊ねる
「どの階層が良い?最初はゴブリンとか?」
「うーーんとねぇ、ドラゴンが良い。」
「イヴと同じ亜竜で良いかな?」
「うん、良いよ。」
俺はダンジョンマスターの権能で9層に移動した。
前方の岩地に丁度アースドラゴンが居る
あれは8層のボス部屋にいる物より強い個体だ
「じゃ、行ってくるね。」
そう言った春花の身体が一瞬ブレる。
そして瞬速で移動した彼女はアースドラゴンに切り掛かる
硬いアースドラゴンの表皮を、まるで熱したナイフでバターを切るかの如く切り裂いていく
全長10メートルは有るアースドラゴンを何もさせずに三つに切り分けた
「ドラゴンの三枚おろしー、なんちゃって。」
てへぺろする春花だが見た目はそれほどファンシーでは無い
アースドラゴンの緑の体液は光の剣の熱量で蒸発しているのか春花には殆どかかってない
「さすがだな。」
俺が褒めると春花は調子に乗って5匹、6匹とドラゴンを切り刻んでいく
正直俺でも集中して居ないと見失う
これでも春花は勇者の中でスピード特化というわけでは無いのだ
勇者の凄さを再認識させられた。
10匹程倒した春花が戻ってくる
「何だか倒したドラゴン消えちゃうよね。」
取り敢えず疑問に思ったことは尋ねたい年頃なのだろう
「そこに飛んでるドローンがアイテムボックスに回収してるよ。」
俺は正直に教えてあげる
「えっドローン?ドローンってあるの?あれもアーティファクトなの?」
とても驚く春花。
俺は一応言葉を濁す
「その様な物だな。」
「へーーー」
何か含んだ様な返事をする春花
この子は聡いから色々役に立ちそうだなと考えるススムであった
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勇者は基本的にススムより強いです
特にこの2人は最強クラスです
ちなみに大塚君のスキルは『次元斬』で作中にもある様に指を動かした線上を分断する能力でシールドは意味を為しません
ただ色々欠点はあります
少しでも面白いと思われましたらモチベーションにも成りますのでブクマ、評価よろしくお願いします
とにー




