第39話 マルクafter
「また拾ってきたか」
俺はドローンが回収してきたアイテムボックスカードを受け取る
アイテムボックスカードは放っておくと自動的に回収されるのだが俺がマスタールームにいる時はドローンがわざわざ持って来るのだ
まるで褒めてほしいかのように周りを飛び回るドローン
俺がドローンを褒めるとピューッと飛んでいった
「なんかドローンのAIがだんだん生き物っぽくなってるな」
俺はぼそっと呟いてカードをチェックする
「また5層か……注意喚起はしてるはずだがな……」
ダンジョンの死亡率トップは圧倒的に5層だ。その次がかなり離されて2層になる
5層からオープンフィールドになる上に頭の良い魔物が増える
特に上位種には気をつけるように受付で説明はしてるはずだ
「ホブゴブリンとかは単純に全ての能力が少し上がってる感じだがハイオークなんかは明らか頭の良さが1番上がってるからな」
そう言いながらオンラインショップの中のシステムをチェックする
「病室は空いてるか?」
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僕は目を覚ました
どうやらベッドに寝かされてるようだ
『知らない天井だ』
そんな事を思ったかどうか分からないけどどうやら僕は生き残ったらしい……
でも、僕だけ生き残っても、もうミリィは居ない……
俯く僕に突然声がかかる
「マルク、起きたの?」
聞き慣れた声に思わずそちらを見るとミリィが笑顔で横に立っていた
「えっえっ、なんで?」
戸惑う僕にミリィが答えてくれる
「私達助けられたんだって。たまたま通りかかった領主様のアーティファクトに。なんだか凄い技術で完全に死んで無ければ治せるらしいの。」
ミリィは完全にダメだと思ったけど……勘違いだったかな、凄いな今の技術
「みんなは?」
「みんなももう元気だよ」
お腹の傷も無かったように治ってる
僕はベッドから降りた
するとミリィが僕の前に布袋を出した。中身はお金の様だ
「これは?」
「さっき領主様の秘書の方が見えて、お見舞いだって置いてったよ」
中を確かめると8枚金貨が入っていた
「アイテムボックスカードは返しちゃったんで今回の獲物は換金出来なかったけど……」
「助かった上にこんなにして貰って……」
2人して顔を合わせて笑った
ニースとアルタもやって来たので皆んなで家に戻った
結局冒険は続けることになった
4層でスキルを磨いて、お金を貯めてスキルを買い、次こそ5層より下にチャレンジできる様に
僕たちの冒険は始まったばかりだ
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しかし、こんなことが出来るとはね
それは偶然の産物だった
死んだ魔物はアイテムボックスに入る。では死んだ人間は?
やはりアイテムボックスに吸収されるのだ
そして魔物は魔素と素材と魔石に分解されるが人間は……修復される
アイテムボックスの修復能力が適応される
そして魂は……ダンジョンコアに取り込まれる
ダンジョンコアは俺のオンラインショップのデバイスの管理下に有る。アイテムボックスも勿論だ。
つまり肉体と魂の両方が管理下に有るのだ
それを結びつけるなど造作もなかった
「問題はこれを公表するかだが………」
これに関しては俺も迷った
公表してどんどんチャレンジして貰った方が俺的には美味しい
でもデーターがまだ少ない
100%なら問題ないだろうが……例えば魔物に食べられてしまったり、溶かされたり、灰になったりしても戻せるのか分からない
かと言って試す気もない
まぁ危機感を持ってチャレンジしてほしいのも有るし当分は未公表だな
それとデスペナが実は有る
レベルが1レベル下がるのだ
でも普通の人は自分のレベルも分からないし、むしろレベルが有ることさえ知らないのであまり意味はない
レベルが1つ下がったところで少し体が重いと思うくらいだからな
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閑話はここまでです
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とにー




