第303話 後処理
俺はグギャールにトドメを刺すとアイテムボックスに入れる。
本来は素材となる訳ではない魔人はゴブリンなどと同じように分解される筈だがバージョンアップされたデバイスは分別して保存できるようだ。
但し自動修復はしないためそのまま保存されるだけなのだが。
有る程度解析すれば修復や改造も可能かもしれないな。
ザーギスに至っては魔人化の効果を打ち消すことができる様だが但し、魔人化の仕組みが解らないのでこちらも保留だ。
魔人化の仕組みも解析すればわかると思われるがアティ任せだ。
取り敢えずの処理が終わったところで俺はスターシャを従えて王宮に向かう。
既に王宮に話は通っているのでそのまま王の前まで俺は進んでいく。
そして王の前に行くと尊大に言い放った。
「トーレス王国Sランク冒険者のススムリセイだ。」
「これはススム殿よくいらっしゃいました。」
不躾な態度だがそれを咎めることはない。
それどころかバジニリア王は流石に頭までは下げないがかなり下手に出ている。
傍目で見ると、いや、装束を見ればどちらが王様かは一目瞭然なのだが、態度や言葉は明らかに逆と言えるだろう。
ススムに至っては敬語すら使って居ない。
いくら冒険者と言ってもあんまりな気もするが、バジニリア側にそれを咎める様子は無い。
「片はついたぞ。魔人兵は排除した。」
「それはそれはご苦労様です。」
「それで、この二人が魔人と繋がって居た貴族だ。」
ススムはそう言いながら二枚の写真を王に渡す。
その写真には魔人兵と一緒に豪華な衣装の男が写っていた。
そして更に幾つかの書状も見せる。
「そしてその他の犯罪や王都転覆計画の証拠だ。」
王はそれを見て青ざめる。
「なんとグレイン伯爵が……」
「報告によるとそいつはかなり用意周到に政権転覆を狙ってた様だぞ。」
「そんな……。」
どうやら王の信用の厚い配下だった様だ。
きっと優秀で出来る奴なのだろう。
そう言う奴ほどなかなか尻尾を見せないからな。
こいつは魔人に唆されたと言うよりは最初からそのつもりで魔人を利用しようとしてたみたいだ。
と言う事は寧ろ魔人を利用しなければ俺に突かれる事もなく政変が成功して居た可能性があるな。
「戦力も用意してるかもしれないからスターシャを貸してやる。彼女に相談するが良い。」
「私が行ってその伯爵様を連れて来ましょう。王様、許可を頂けますか?」
相変わらずの微笑みを浮かべながらスターシャは王様に尋ねる。
王様は頷くことしかできなかった。
「では契約通り事が済んだら冒険者ギルドのシステム変更をさせて貰おう。なぁにそちらに不利益になる事は何も無いから安心しろ。寧ろ増益になるだろうからな。」
「スターシャ、後は任せた。用事が済んだら再度任務の遂行を頼む。」
「承知しましたわ。後はお任せください。良いご旅行を。」
深々と頭を下げるスターシャを尻目に立ち去るススムだった。
この後閑話入ります。
召喚勇者の特訓風景など書きたいと思いますがリクエストがあったら感想にどうぞ
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とにー




