第300話 魔人グギャール
ススムが中央大陸に忍者を散らばせて情報収集を行った結果、各地で魔人国の気配が感じられた。
そしてこのバジニリア王国にてをの気配が色濃く感じられたのだ。
既に調査は忍者によって済んでいる。
ススムがここに訪れたのは一気に解決する為だ。
まだ意識の有る冒険者達はザーギスを見て驚愕する。
そして怯えたように声さえ上げられない。
ススムは話しかける。
「随分色男になった様だな。」
「吐かせ!」
ザーギスは悪態を吐きながら威圧を強める。
意識の有るものも口から泡を拭き始め動くことができない。
それはススムの対処が終わった後に口封じをする為だろう。
「そろそろ行くぜ!」
ザーギスが剣を振りかぶって切りかかってくる。
そのスピードは流石にススムでも対応するのはギリギリだ。
ススムはいつの間にか手に持った剣でそれを受ける。
その剣はカオススレイヤー。
魔人に特攻効果を持つ聖剣だ。
二人は鍔迫り合いとなった後、ススムが受け流す様に後ずさる。
「逃すか!」
ザーギスが剣を横薙にするがススムは間合いを外している。
『技術は俺の方が上だが力はあちらの方に分が有るか』
冷静に分析するススム。
そしてこちらに向かってくる大きな気配にも気がついていた。
『先程こいつはこの力を貰ったと言っていた。ならば与えた者が居るはずだ。」
ススムはそれに気がついていた。
そう言った場合力を与えた側は与えられた者が力を使ったことに気がつくものだと……
ススムは気がついていてその力を使うようにわざと煽ったのだ。
そしてそれは近づくにつれて大きくなってくる。
ススムから間合いを取ったザーギスもそれに気がついた様だ。
ザーギスは空を見上げた。
そこには鎧を身につけた魔人兵が空中に浮かんでいた。
「グギャール様!」
ザーギスが叫ぶ。
ススムは魔人を見上げると話しかけた。
「あんたが親玉か?」
グギャールと呼ばれた魔人はススムを一瞥すると
言葉を発する事なく地面に降りて来る。
そしてススムを睨みつけるとザーギスに話す。
「ザーギスよ、こいつは覚醒勇者だ。ユニークスキルが有る。気をつけるがいい。」
野良魔人と違って流暢な言葉だ。
帝国に潜入していた魔人も区別が付かなかったというし、破壊の衝動に支配されていなければ魔人は普通に喋れるのだろう。
「確実に倒すために二人でやるぞ。」
「分かりました。」
ザーギスが敬語なのは少し気になるが力を貰った影響なのだろう。従属と言う契約なのかも知れない。
しかし、この二人で組まれると流石のススムでも分が悪い。
ススム自身が強敵相手に無双できるほど強くは無いのだ。
グギャールは無手では有るが、魔人の代名詞で有る不可視の斬撃を放って来る。
ススムはカオススレイヤーでそれを受ける。
カオススレイヤーやこの斬撃を弾くことが出来るのだ。
しかし、そのタイミングで仕掛けて来たザーギスの一撃は交わすことができなかった。
それでもその攻撃はススムのシールドが弾く。
「チッ、シールドか。」
ススムら覚醒勇者がシールドをみんな使うので麻痺しているがシールド魔法はかなりレア度の高い魔法なのだ。
ススムが冒険者達から一撃も貰わなかったのはシールドを張っている事を気が付かれないためでも有る。
「まぁそうであろうな。ならば戦術を変えるとしよう。」
魔人にはシールドを破壊する攻撃が有る。
それを最初から使わせないためのススムの配慮だったのだ。
しかし戦況はだんだん悪くなって行く。
ただここに来て気がつく部分も有った。
それは先ほどまで倒れていた冒険者達が皆居なくなっている事だ。
こんな戦いを繰り広げながらススムは冒険者達をアイテムボックスに回収していたのだ。
劣勢で居ながらまだまだススムは余裕がある。
その余裕がどこから来るかはこの後分かることになる……
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とにー




