第30話 代官side
代官ブラウンside
私はワルフェアで代官を任せられてるブラウンだ
この仕事のおかげで随分稼がせて貰った
年貢の誤魔化し?
そんな物は微々たる物だ
もし監査が入った際のスケープゴートだ
じゃぁ何で儲けたかって?
それは秘密だ
奴隷販売や人頭税の誤魔化しもやったがその程度は小遣い稼ぎみたいな物だ
住民をあまり虐めても良いことないからな
だからここでの私の評判はそんなに悪くない
偉そうとか言われるが実際偉いからな
まぁ最近はブルースがちょっとお茶目やってるけど可愛い甥っ子だから仕方がない
いずれここを継がせたいと思っているしな
ある日冒険者ギルドにCランク冒険者が現れたと報告が有った
私の知人に1人居るが彼では無い
何しに来たのか探りを入れたが相手がCランク冒険者ではあまり表立っては出来ない
そうこうしているうちにそのCランク冒険者はドラゴンを倒したと報告が有った
どうやらスタンピートの危険が有ったのを防いでくれたらしい
その事には感謝したが、あまり目立ちたくは無いと思ってしまった
例のCランク冒険者が王都で褒章を受け取るらしい、陞爵され領地も受け取るそうだ
まさかと思って知り合いの内政官に連絡した所ワルフェアになる事はまず無いという事だ
確かにそんな優秀なCランク冒険者にこんな寂れた街の領地を渡すという事はないだろう
私はもしもの際にはすぐ連絡してくれと頼んでおいた
ブルースがまた何かやってる様だが今はあまり目立つ事はするなと言っておく
勝手に部下を使った様だが、その位は問題無い
まぁあいつは優秀だから大丈夫だろう
が……何やらブルースが騒がしい
聞くと奴隷契約をした罪人に逃げられたとか
奴隷契約をした者が逃げられる筈はない
奴隷商に確認すればすぐ連れ戻せるだろう
奴隷はすでに売約済みだと?それは奴隷商人が裏切ったのでは?俺の懇意にしてる奴隷商人だと?
彼奴はかなり弱みを握ってるから裏切る筈はないか……
ひとまず指名手配しておけ
最悪買主から連絡があるだろう
そしたら交渉しろ
ブルースも図体ばかり大きくなってもまだまだだな
ここは私の力を見せてやろう
近隣の村や街まで通達を入れる
見つけ次第報告が入るだろう
ん、騒がしいな、どうした?
何?例のCランク冒険者が来てる?辞令書を持って?
なんだと!
そんな馬鹿な、私のワルフィアが……
いや、こんなことをしてる場合では無い。なんとか三日猶予を貰って急いで処理をしないと……
私はこんな事もあろうかと用意をしていた土系魔導士に指令を出す
証拠を消して仕舞えば問題無い
後は売買の記録を処分して
なに、金は十分稼いだ
少し潜伏して再起を狙うとしよう
コネはあるんだしな
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王都での発表は辞令を出した次の日になります
これが会議で決められたなら内政官さんも知っていたでしょうけど下賜は王とススムと長官クラスのみで行われたため外には漏れませんでした
今日もう1話上げる予定です
少しでも面白いと思われましたらブクマ、評価お願いします
とにー




