第298話 襲撃
誤字報告ありがとうございます。
ススムの先ほどの発言は実はわざとだ。
ススムは既に中央大陸にも数百人の忍者を派遣して居た。
その情報からこの王都の治安の悪さと不審な動きを掴んでいたのだ。
列車のチケットが高額な事は他国にも出入りする冒険者なら当然知って居るだろう。
冒険者達にはススムが金持ちのボンボンに見えただろう。
シェリーは慌ててススムの耳元に口を寄せると囁いた。
「なぁ、そんな事を大っぴらに言わない方が良いんじゃないか。周りの冒険者の気配が変わったわ。」
「そうか、ご忠告ありがとう。」
「帰り道、危ないだろ。もしなら私が護衛してあげようか?」
「いや、必要ない。どうやら連れが来たようだ。それでは失礼する。」
そう言いながらススムは併設された酒場のカウンターに行きエールを2杯頼む。
そうしてシェリーにそのうち一杯を渡すと逆に耳元で囁いた。
「忠告のお礼だ。後俺からの忠告だが……俺を襲うなら参加は控えた方が良い。」
「なっ……」
呆気に取られるシェリーをよそに、一人の男が座っているテーブルにススムはエールを持って向かうのだった。
シェリーside
ススムは連れの男と少し話して居たが、程なくギルドハウスから出て行った。
それを見て居た男どもが
目配せをする。
するといく人かの男達が同じようにギルドハウスから出て行った。
ニヤニヤ笑いながら鋭い目つきをした男が最後にその跡を出て行く。
多分隙があれば襲うのだろう。
「あーぁ、良い男だったのに勿体無い。」
シェリーは思わずボヤいた。
私の忠告を聞いて大通りのみを使うなら流石に襲撃をしないだろうが少しでも脇道に逸れればあいつらは問答無用で襲ってくる。
先ほど行った男たちの中にザーギスの奴が居たし……奴は素行が悪すぎてゴールド級止まりだが実力はプラチナ級を超えてミスリル級に届くと言われている。
性格も残虐で容赦が無い。
奴なら少しくらい人目があっても気にしないか?
最近後ろ盾が付いたとの噂も有る。
あんなイケメンが明日の朝には犬の餌に成ってるだろう……
私なら襲われない経路を選択できるのに……それであわよくば味見も……
シェリーはこの王都で一番大きなクラン所属だ。
自分ならそうは手を出されない自信もあった。
「あーっ、勿体無い。」
シェリーは再度ボヤキを入れた。
ススムはギルドハウスを出るとそのまま歩き出した。
まだ日は頂点まで達していない、昼前と言った所だ。
ススムは大通りを歩いて居た。
ススムが忠告を受けたところはギルドに居た男達も見ている。
流石にすぐ脇道に向かえば訝しむ者もいるだろう。
それにススムはもう少し人数が揃うのを待っていた。
時間稼ぎのために大通りにある食堂に入る。
そして食事を終えたススムはデバイスで集まっている人数を確認する。
『どうやら二十人ほどは居るみたいだな。」
ススムは周りをわざとキョロキョロ見る。
これも気をつけてるポーズだ。
そして脇道に入っていく。
そしてその道を10メートルほど進んだ時だった。
前方の脇道から数人の男が現れた。
ススムはそれを見てニヤッと笑う。
「おやおやこんな場所で物騒な皆さんだ。」
「お兄さん羽振りが良いみたいだな。俺らにも少し恵んでくれよ。」
男の一人がススムに話しかけた。
シェリーを揶揄った男である。
「良いよ、ほら」
ススムはそう返事をすると銀貨を一枚投げる。
「それを持ってさっさと帰りな。怪我をしたく無かったらな。」
それを見て男もニヤッと笑う。
「やはり腕に自信はある様だな。だがこの人数を見てその余裕が続くかな。」
すると大通り側から十人の男が脇道に入って来てススムの退路を塞ぐ。
更には前の脇道からも十人程の男達が現れた。
「どうだ。身ぐるみ置いてけば命までは獲りゃしないぜ。大人しく有金置いていきな。」
「ふーん。それは本当かい?」
「本当だ。神に誓うぜ。」
「と、言ってるけど後ろのあんたはどう思うんだ?」
ススムは後から現れた男の中で最も殺気を放っている男に話しかけた。
その男はススムのセリフにニタァっと笑うと。
「約束するのはその男だけだなぁ。」と言った。
「おいおいザーギスさん、上手くいきゃ楽だったのに。」
「うるせいヤード、こいつは降参する気なんか最初からねぇよ。良いからやっちまいな。」
「へい、お前ら痛めつけろ。」
「トドメは刺すなよ。俺に取っておけ。」
その言葉と同時に男達は臨戦体制を取った。
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とにー




