第295話 列車
中央大陸ザイン皇国
特に魔人国との国境付近では対魔人国との前線となる為防空対策が充実している。
魔人は空を飛んでくるのだ。
それを迎え撃つために対空兵器や高い塔などが用意されている。
最初ススムはミカエルかファイルーンで乗り付けようかと思って居たのだが、思い直して陸路で向かうことにした。
ファイルーンで向かえば自分の力を誇示することも出来るが、帝国の件もあるし魔人国の密偵も侵入している可能性が高い。
無駄に警戒させる必要も無いだろう。
それと流石に初入国が上空からと言うのも不躾だなと感じたからだ。
対空兵器の多いザイン皇国では接近前に気取られてしまう可能性も高い。
但しドーワスからザイン皇国首都までは6000キロの距離が有る。
陸路では流石に時間が掛かり過ぎてしまうのではと思われた。
「成程、中央大陸には既に列車が走っているのか。」
駅の社屋を見て俺はそう思って居た。
実は列車に関しては現在トーレス王国のある大陸でも建設中だ。
ワルフェアから王都までは既に完成して運用して居て、そこから他の土地や他の国まで繋げる予定で有る。
中央大陸の列車はアーティファクトを利用した魔導エンジンを使用していると思われるが、うちもは普通に電車で有る。
但しエネルギーは魔素を電気に変換したハイブリッドでは有るが。
数は用意できるので沢山の本数を走らせることができる。
それとススムは高速鉄道の計画も進めている。用地買収とか必要ないので、どうせならとリニアモーターカーの導入を予定している。
路線もほぼ真っ直ぐ引けるため時速500キロでの運行を計画中だ。
尚、中央大陸の列車は時速60キロ程度で走る。
エネルギーは魔石を使用しているのだろう。
クリーンでは有るがエネルギー効率はさして良いものとは思えない。
俺は駅舎で運行時間や運行予定を確認する。
「出発は今日の午後か。運が良かったな。」
皇都までは1週間かかる。
列車の台数が多いわけではないのでここの発着は3日に一本だ。
1回出て仕舞えば途中は数回の駅にしか停まらない。
駅自体がほぼその国の首都にしか無いのだ。
それだけ貴重な存在である為運賃もそれなりに高い。
庶民では滅多に使用する事はできない。
とはいえススムに取ってはどうと言うことも無いのだが……
「たまにはゆっくりするか……」
束の間の休息をススムは享受するのだった。
大分涼しくなって来ましたね。
少しペースを上げられるかもしれません。
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とにー




