第294話 中央大陸
ススムはドーステンやブランディッシュ、ノーリスなどの国の基盤作りをした後、中央大陸のドーワス王国に飛んだ。
ちなみに魔人国の状況に関してはトーレス王には報告してある。
これで取り敢えず議会の混乱は収まるだろう。
ただ油断だけはしないように厳命しておいた。
恐らく攻めてくる事になった場合、前よりも危険になっている可能性が高い。
それに前回の魔人国の侵攻は100年以上も前になるので魔人兵の襲撃を経験している者はいないのだ。
野良魔人と同じような気分でいて貰っては困る。
全く平和と言えば良いのだが平和ボケは困ったものだ。
ボーヤン帝国との戦争は正直面倒ではあったが戦線が苦戦したのは人造魔人の件くらいだ。
リブ王国の件が無ければ勇者召喚もしなかっただろう。
とは言え魔人王の件は既にわかっていたことなので、少し早まっただけなのかもしれないが……
ただそうすると少し時間のリンク性が感じられるこの召喚では俺やイヴは呼ばれなかった可能性が高い。
こればっかりは俺の推測だがまぁ俺の推測はほとんど外れないからな。
ドーワス国の王都に飛んだ俺は王宮に向かう。
そして謁見を申し出ると直ぐに通された。
ルアシーンの状況は既にドーワスに伝わっているし先触れを出すより俺が直接来た方が早いし、Sランク冒険者のカードを見せればすぐだろうと思って居たのだが予想通りだった。
俺は王に会うと魔人国についての情報共有をした。
やはり中央大陸では魔人国の動向は把握しているようだ。
ドーワス王国は魔人国とは接して居ないし間に幾つもの国を挟むのだがそれでも被害がないわけでは無い。
奴らは空を飛ぶので戦争中は流れてくる者もいるのだ。
魔人兵は一人でも来ればそれなりに被害が出る。
それと中央大陸の対魔人国規約により一定戦力を魔人国との国境の砦に配置する決め事が有る。
対魔人に関しては弱兵が数いても役に立たないのでエリート部隊を送る事になっている。
実際魔人戦争になればその増員も必要となる。
俺は王様に幾つかの情報を提供する。
魔人国の状況についてなどだ。
そして、一つ頼み事をする。
それはザイン皇国への紹介状だ。
対魔人国連合の盟主であり最前線でも有るこの国に行っておく必要が有ると感じているからだ。
ちなみにユーリアゥにはお土産としてクスーラゥから預かったビデオレターと各種アニメソフトのDVDを持ってきた。
ポータブルDVDプレイヤーは前回来た時に渡してあったので自由に見られるだろう。
前回アニメにかなり興味を示して居たので立派なオタクに育つかもしれないな……
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とにー




