第293話 魔人国の動き
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魔人国の動きがないまま魔人王が死んでから1年が経とうとしていた。
王宮が困惑している中、ススムは平常運転で各地のダンジョンを整理して冒険者ギルドの拡張に勤しんでいた。
帝国が潰れたことで各地の治安はやはり乱れる。
それは元々帝国は新しく支配してた領地の治安に関しては積極的では無かった為盗賊団なども帝国軍に手出しをしない限りは野放し状態だったからだ。
それでも今までは主要道路は帝国が見回っていた為、田舎で細々とやっている形だったのが帝国がいなくなれば表に出てくる。
ススムは部下に命じてそういった賊たちを徹底的に潰したり、危険な魔物を処理したりしていたのだ。
それはこの魔人国の状況についてススムは想定済みだったからだ。
魔人国はまだ攻めてこない。
それがススムの打ち出した結論だ。
ススムがその結論に至ったのは先日の帝都での魔人兵との接触があった。
そしてその後の調べによって魔人兵の正体が帝国の人造魔人の研究者である事が判明したのだ。
彼らが使用した転移魔道具は使い捨てでかなり貴重なものであると思える。
単なる偵察員程度が使える物ではない事は伺える。
つまりあそこでの研究は魔人国にとってかなりの重要度があったと言う事だ。
そしてその研究内容も精査した。
皇宮はパンデモニウム化によってかなりの部分が消失していたのだが研究室は最深部にあった為その損傷具合は少なかった。
そして研究内容も基本的には帝国との物と差はない為あまり隠蔽の様な事はされてなく、ほぼ彼らの研究内容は判明した。
そこから導き出される答えはその研究を魔人兵に応用する事だ。
そしてそれはそう簡単ではないとい言うことも推測できる。
最短で半年、おそらくは一年程度は動きがないとススムは予想していたのだ。
但しススムはこれを王宮には報告していない。
想定外が起きる可能性もあるし、緩んでいるよりは良い。
戦うCランク冒険者は特に消耗をしていない以上議会が混乱しようとあまり影響は無いと判断したからだ。
今のうちに先制攻撃とも考えるが、Cランク冒険者は攻めるのには使えない。
今使える戦力だけでもいけそうな気もするが俺の勘では厳しい戦いになる。
直接乗り込むと何万人と居る魔人兵を相手にしなくてはならないのだ。
それに俺は魔人国を全滅させるつもりはない。
兵でないものは破壊の衝動さえ無くなって仕舞えば少し強い一般人なのだ。
その方法に関してもススムには思いつく事があった。
今は各国の冒険者の増量と施設の刷新、そしてダンジョンの整備や設置をして国の復興を進めるススムだった。
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とにー




