第290話 ラストシューティング
ススムは皇帝の接触を転移で回避しなから考える。
『よくも無防備に突進してくるものだ』と。
よほど吸収に自信があるのだろう。
ススムが予想した皇帝のスキルは攻防に強力な事は理解できる。
しかし……
皇帝は武器を持っていなかった。
突進する際には必ず両手を握らず自由に使えるような体制だ。
これが体当たりとか打撃とかを目論んでいるなら……
普通は両手を握って接近してくる。
つまり……
この開いた掌に吸収の秘密があるとススムは確信した。
そして……
スキルには必ずクールタイムを必要とする。
勿論それが極端に短く連続で使用できるものも有るが皇帝の吸収の様な強力なものはそうでは無い筈だ。
あのアクティブモードはその弱点をカバーする為に威力を弱めて受動的に発動出来るようにしたものだろうと予想する。
ススムには離脱するだけなら既に策はあった。
だがそれを利用して皇帝を倒す事を計算した。
その第一歩は自分の動きを皇帝に読ませる所からだった。
先ずは今までの自分の転移先を全て割り出す。
そして法則性の種を割り出す。
四隅に飛んだタイミングが偶々同じだったことに気がつく。
これならば……
誘い込むことができる……
移動タイミングと位置を微調整する。
そして必殺のタイミングに誘き寄せる。
昔の中国
蜀の軍師は弟子に尋ねた。
「人はどんな時に一番騙されやすいか」と
弟子は答えた。
「動揺したり心が弱っている時では無いですか?」と。
師は答える。
「人が一番騙されやすいのは人を騙している時だ。人に謀をしているものは自分が謀られているとは思わぬものだ。」と
皇帝はススムの転移の法則に気づいてしまった。
そうしてススムに追い付きススムの手を掴んだ。
これで勝てると思った。
ただそれでも皇帝は油断をしていない。
掴んだ瞬間ススムの魂の位置を確認する。
擬態や分身の可能性もある。
そこは皇帝は冷静だった。
そしてその体に魂を確認する。
この体は間違いなくススムリセイの物だ。
そうして吸収を発動したのだが……
その瞬間後方でエネルギー反応を感じた。
そしてその場は超高熱の光に包まれる。
それは……
駐機してあったファイルーンから放たれたハイメタル粒子砲の光だった。
後1話出来れば今日中に上げます
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とにー




