第287話 戯言
睨み合う二人。
お互い当然相手が誰かは判っているのでわざわざ確かめるような事はしない。
「貴様は何故私も邪魔をする。」
皇帝がまず口を開いた。
「俺の国を侵略しようとしたんだ、抵抗するのは当たり前だろ。」
俺は正論で答える。
当然皇帝が言いたい事はそれでは無いとは判っているが反応を確認したいのだ。
「ふむ、お前はトーレス王国に思い入れがある訳ではなかろう。無理矢理召喚されたのではないのか?」
成程、皇帝は状況をある程度理解している様だ。
俺が召喚勇者だと言うことも気がついているのだろう。
「だからなんだ。大人しく侵略されろとでも言う気か?」
「ルアシーンとドーステンを手に入れたのだろう。不満は無いのではないか?」
成程、皇帝は何か勘違いしている様だ。
俺はそれを笑顔で訂正する。
「ふふふ、面白い冗談だ。俺が二国を手に入れた程度で満足すると。」
「お主も覇道を行くのか?」
「あぁ行くさ……ただ勘違いしちゃ行けないぜ……お前のやっている事は覇道でも何でもない。唯の自爆行為だ。」
「我のやっているのは復讐だからな。それを否定するのか?」
「いや否定はしない。されたからと言ってお前はどうと言う事はないだろ……ただ、阻止するだけだ。」
「交渉は決裂か?」
皇帝はニヤッ笑って尋ねる。
当然交渉が成立するとは思っていなかったのだろう。
今の会話は一種の戯言の様だ……
それに対して俺もニコッと笑った後に……
「最初から交渉になっていなかっただけだ!」
そう叫びながら両手でライフルタイプの無反動砲を構えて皇帝に向けて連射する。
それは現代の銃ではないSFアニメで出てくる様な独特のデザインで打ち出されるのも実弾ではなくメタル素粒子のエネルギー弾だ。
アイテムボックスから直接手の内に出したので突然現れたように見えるが俺のスキルを召喚系だと思っている皇帝は全く驚いてはいない。
距離は30メートル程
ススムにとって外す距離ではない。
しかし皇帝は全く避ける様子も見せない。
そしてエネルギー弾が皇帝に着弾すりかと思われた瞬間微かに皇帝の右手が動いたように見えてエネルギー弾は皇帝に吸い込まれる様に消えて行った。
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ここから皇帝との直接戦闘ですが二人の個人としての戦闘力をドラゴ○ボールふうに数値化するとススム五万対皇帝五十万位です。
ススムがどう勝つかを見てください
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とにー




