第285話 パンデモニウム
皇帝宮要塞、その名をパンデモニウムと名付けられて居た。
パンデモニウムは全長一キロメートルを誇るが、よく物語で語られるラスボスのサイズとしてはそう特筆するサイズでは無い。
故に大規模な攻撃さえ加える事が出来れば落とすのはそう難しい事では無いように見える。
しかし、実際はそうでも無い。
皇帝が最終兵器として用意したのだ。
ススムもその警戒度をかなり高めに見積もって居た。
実はパンデモニウムには恐るべき秘密が有った。
それはその耐久力と防御力だ。
パンデモニウムは皇帝のスキルと帝国の科学力の粋と言われる物で皇帝のスキルを十全に発揮できる様になっている。
そして今まで皇帝は数十万と言う魂を吸収している。
このパンデモニウムはその吸収した魂を防御力や耐久力として使用しているのだ。
どんな強力な攻撃を受けても魂を消費する事で回復してしまうしダメージも最小限にする事ができる。
それがパンデモニウムの秘密だった。
ススムは感じて居た。
急所を正確に狙わないと攻撃の効果は無いと。
その急所でさえ相当なダメージを与える必要があると。
例えばファイルーンの携行武装であるメガメタルキャノン。
これ一撃でも与える熱量はTNT換算で10ktにも及ぶ。
つまり核ミサイルを連発して撃っているのと差して変わらないのだ。
しかし、その攻撃でさえ急所以外の場所では魂を1消費するだけで回復されてしまう。
延々と攻撃し続ける事も可能ではあるが、もしそれをした場合パンデモニウムは魂の補充の為に移動し始める事が予想される。
直近の都市を滅ぼせばそれだけで数万の魂が補充できるのだ。
この作戦の嫌なところは自国に対して行われる為避難警報などが出ない事だ。
都市には皇帝が戦力を持って助けに来るとまで言われている。
我々が危険を呼びかけても応じてはくれないのだ。
そして当然その先はトーレス王国となる。
まさに自爆兵器。
皇帝の執念が生んだ最悪の兵器だ。
しかし………
ススムがそれを許さない。
ススムはこれまでの攻撃で割り出したパンデモニウムの弱点向けて、ヤタノカガミのトリガーを引いたのだ。
その瞬間……
ミカエルの艦首砲で有るヤタノカガミが一瞬光った。
それは……
SF物で有る射撃というものでは無かった。
艦首砲といえば某宇宙戦艦を思い浮かべるだろう。
しかし、大出力、大熱量を移動する方法としては正直あまり効率的では無い。
ヤタノカガミはその大出力を瞬時に対象に与えると言う方法を取っている。
その速度は高速を越えるのだ。
故に放った刹那当たっている。
その現象巻き起こしたのだ。
一瞬で弾け飛ぶパンデモニウムの一部。
そこは当然急所の部分で有る。
しかしその程度で済んでいることにも驚きを隠せない。
いやススムは予想通りの様では有るが……
ヤタノカガミの熱量は恒星をも一瞬で蒸発させる程の威力があるのだが……
その威力を理解しているものがススム以外にいれば驚愕ものであろう。
大きく穴が開くパンデモニウム。
しかしそれでもまだ止まったとはいえない。
そしてススムの、ファイルーンの姿は既に空中には無かった。
ススムはこの一撃で終わるとは思って居なかったのだ。
「さて、今度こそ最後にしよう。」
パンデモニウム内に突入したファイルーンの中でススムは呟いた。
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とにー




