第284話 ヤタノカガミ
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フォーンフォーンフォーン
ミカエルの艦内では緊急時のサイレンが鳴り響いた。
「ミカエル、微速前進。艦首砲ヤタノカガミを準備して!」
艦長で有るユニークユニットのサリューがススムからの指令に従って指示をする。
「移動位置は帝都上空500、ヤタノカガミのコントロールはファイルーンにリンクして。」
ミカエルはサリューの指示通りに移動しながら艦首にある大きなオブジェクトが開き、中から直径50mはあろうかと言う巨大な砲身が現れる。
「エネルギー充填120パーセント。ヤタノカガミ、臨界に達します。」
武装をコントロールする乗組員がコンソールを見ながら言った。
「対ショック、対閃光防御。ススム様、コントロールお渡しします。」
サリューが通信でススムに伝えるとススムは右手の親指を上げる、いわゆるサムズアップの仕草で合図を返す。
それを見たサリューが頬を赤らめる。
そんな様子もお構い無くミカエルの正面モニターにフィルターが掛かる。
ミカエルの閃光防御は乗組員がゴーグルを掛ける様なスタイルではなくミカエル自体が閃光の影響を受けないようにする物であり対ショックもシールドの強化で乗組員自体を守る物だ。
故に乗組員はリラックスして状況を眺めている。
正直ススムに対しての信頼感が半端ないのだ。
むしろサリューなどはリサイタルをするアイドルを見ているような恍惚とした表情まで浮かべている。
だが乗組員は男女に関わらず大なり小なり同じような感情を持つため揶揄るような態度は見当たらない。
ススムはヤタノカガミのコントロールを受け取ると照準を左舷前方に有る塔の付け根に付ける。
普通こう言った要塞の場合、中央深部に重要施設が有るのが一般的と言うか観念では有るがこの場合それを逆手に取ったのだろう。
ススムはそれすらも見越して探索のための攻撃を仕掛けて居たのだ。
ちなみに探知スキル系はこの要塞自体の魔素濃度が濃すぎて有効では無い。
この要塞自体を一つの魔物として認識してしまうのだ。
ススムはミカエルの位置と皇宮殿要塞の位置を確認する。
先ほどから要塞からミカエルに対しても触手による襲撃が試みられているが触手を伸ばす長さに限界が有るのだろう、ミカエルまでは届かない。
当然ススムの計算通りで有る。
その事も計算しながら戦闘を繰り返して居たのだ。
そして、絶好の体勢で引き金を引いた。
ミカエルの艦首砲で有るヤタノカガミはそのエネルギーを解放したのだ。
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とにー




