第281話 皇帝の切り札
暑い日が続いて居ます。
大分空いてしまってすみません
「ジュビアも通用しないか……。」
皇帝エドワースは一部始終を見て呟いた。
そして……。
彼はモニターとなって居たアーティファクトの座席から降りる。
そしてその横に置いてあった機械を操作しながら言った。
「こうなったら切り札を使うしか無いか……」
ジュビアは見た目はあれであるが中身は帝国の技術力の粋と言えるものだった。
確かに火力だけ見ればあれを防げるものは覚醒勇者と言えども少ないであろう。
ススム身内だったらDHがなんとかなるくらいか?
身体能力の高さやシールド魔法に守られているが、覚醒勇者のチートスキルは召喚時の特性上割と攻撃方面に偏っているのだ。
DHのスキルのもタイミング次第では失敗する可能性もある。
あえていうならカミーユなら分体が別の場所にいれば大丈夫な位だろう。
それほど迄にジュビアの砲撃は凄い物だったのだ。
機械を操作し終えたエドワースはその横に有る玉座の様な椅子に座る。
すると天井から頭に被るヘルメットの様な装置が降りてくる。
皇帝がそのヘルメットを被るとその頭頂部に接続された管から異様な音が聞こえる。
まるで何かを吸収してそれを皇帝に注ぎ込んでいる様だ。
更には皇帝の手足が椅子に接続される。
皇帝は目を瞑って一言呟く。
「あの魔人兵の研究者は勿体無かったな。」と。
皇帝は研究者に魔人が紛れている事を知って居た。
今までいろんな魂を吸収している為人の魂を認識することができる様になって居たのだ。
しかし、それでいて利用して居た。
実は魔人兵たちが逃げたタイミングは絶妙だった。
後1日遅れて居たら拘束されて居ただろう。
異変は皇宮の様々な場所で起こって居た。
「なんだ?何が起こっている?」
会議室ではつい先ほどまで喧喧諤諤の議論が交わされて居たのだが突然士官たちが意識を失い机にツッ伏せる。
会議を仕切って居た隊長も目眩を覚えて段々と意識を保てなくなってくる。
「どうして…………」
そう言いながら隊長も俯せると動くものは誰も居なくなった。
そしてその奥の部屋
フローザスが呟く。
「遂に始めたか………」
フローザスはユニークスキルを持っていることから分かるように覚醒勇者だ。
そしてこの部屋は結界が貼られている為に皇帝が起動した装置の影響を直接は受けない。
「我々常人にはこの部屋にいても少しキツイのだが。」
グルーゼが愚痴を言う。
グルーゼは鍛えてはいるが一般人だ。
魂吸収装置を全開にした状態ではどうしても影響を受けてしまう。
「これを起動したからには後戻りは出来ません。このままトーレス王国まで突入するしか無いでしょう。」
リロードも少し辛そうだが冷静に言葉を告げる。
「この後が大変だぞ。どうなるか全く予想がつかん。」
グルーゼが溜息をついた。
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とにー




