第278話 帝都決戦
少しデイリーランキングに載ったみたいです。
下の方ですが嬉しいですね。
後少し艦橋が変わったせいで更新が開きました。
ススムはファイルーンをカタパルトに乗せる。
この辺はこだわりと言う物だろう。
カタパルト射出はロボット物の華であるとススムは考えて居た。
カタパルトデッキに合わせてファイルーンの足裏を乗せると踵の部分が完全に固定され発射を待つ状態となる。
そしてススムはここでお決まりのセリフを言う。
「ファイルーン、ススムリセイ出る。」
ススムはお約束は守る性格なのだ。
ファイルーンはカタパルトによって急加速が加えられ、大気圏内の事もあり急激なGがススムに加えられるがそこは覚醒勇者の身体能力で耐えてしまう。
そのままカタパルト終点まで行くとカタパルトによる拘束が解けて空中にファイルーンは射出されたのだ。
空中に飛び出たススムはファイルーンのブースターを一気に噴かす。
そしてスラスターを操りながら帝都に向けてファイルーンを加速させた。
帝都では大型アーティファクトに動きがあった事で大騒ぎになって居た。
軍部による予測ではあの大型アーティファクトはあくまでハリボテ、威嚇のみと思われて居たのだ。
ただその考えに根拠らしいものはなく、あんなアーティファクトが飛ぶわけがないと言う観念と、そうであって欲しいと言う願望が入り混じった結果ではあるのだが……。
故に移動してきたミカエルの圧迫感に完全に帝国軍部は飲まれて居た。
そこに観測班から報告が入る。
巨大アーティファクトから射出された大型の機体が帝都に接近しているとのことだ。
しかしその報告が届くのと同時期に帝都の結界に衝撃が走る。
ファイルーンが高速起動の急停止からのフルブースト攻撃を放ったのだ。
手に持つエネルギーライフルの連射とレールガンの速射、そして弱った結界に突き刺さるメタルスピアー。
エネルギーを放出しながら光る突撃槍はそのまま結界を突き破った。
ススムは突き破った結界の穴からファイルーンを帝都内に侵入させた。
帝都の空を移動しながら皇帝宮までファイルーンを進行させるススム。
街は既に人影はなく避難は完了していると思われた。
ススムもあえて街並みを攻撃しようとは思わない。
決着をつけるのはあくまで皇帝を倒せば良い。
皇帝は皇帝宮に居る。
その事をススムは確信して居た。
空中を移動するファイルーンが皇帝宮前まで来た時に庭園の地下が開いた。
実は巨大人型決戦兵器の研究は帝国でも行われて居た。
勿論ススムのファイルーンは研究の結果では無いのだが帝国では真面目に研究されて居たのだ。
そしてその成果が今現れようとして居た。
地下から現れたのは10メートル程の人造物。
二足歩行と言っても足の部分はその巨体の肩の部分まで一本だ。
アーティファクトの巨大機械には関節を持つメカもあるのだが……。
いくらそれらを研究しても新しい人工物に同じ機構を作成する事はできなかった。
いや……。
出来たとしても実用出来るほどの安定性が得られなかったのだ。
安定性を担保するために一昔前のブリキのおもちゃを思い浮かべてくれれば分かるだろう。
そんな安っぽい形状ではあるが今帝国の持ちうる科学力の成果ではあるのだ。
ススムはそのメカの手前にファイルーンを着地させた。
もしこのシーンをモニターで客観的に見たとすれば大人と子供……所ではない。
雑魚ゴブリン対フル装備勇者位の差を感じたであろう。
当然この後戦闘に入る訳だが……。
結果はあまりに分かりきっていると思われた。
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とにー




