第275話 メタルマギアマン
いつも誤字報告ありがとうございます。
メタルマギアのダメージは結構深刻だった。
足が2本ほど折れてバランスを崩している個体や左半身が抉れてその部分の武装を全て失っている個体、胴体部分に亀裂が大きく走り動くことさえ出来なさそうな個体。
既に壊滅と言ってもおかしくは無い状況だった。
それでもメタルマギアは動こうとする。
その攻撃的な本能を止めようとはしないのだ。
しかし……。
その状況がメタルマギアの本質に作用した。
秘められたコマンドが発動したのだ。
条件が有ったのか無かったのか?それは解らない。
いや、ススムなら読み切っていたとしても不思議では無いが……。
メタルマギアの直下に現れた大きな魔法陣はメタルマギア達を紫色の光で包んでいった。
その魔法陣の中で紫色の光が一つに集まっていく。
メタルマギア達は微動だにしない。
紫の光に全てを委ねている様で有った。
そうして……光が一つに集まっていく。
その様はモニター越しに見ているルアシーン軍の皆やアーティファクトで見ている皇帝にも幻想的な風景に見えただろう。
紫色の光はストライプのスクリーンを型取り周囲を囲っていく。
そしてその中心に現れたそれは身長5メートルのスラッとした巨人だった。
体には銀を基調とした紫のラインが描かれている。
瞳は無機質な楕円形で表されていて表情を伺う事はできない。
特撮好きな者が居れば直ぐに気がつくだろう。
その昔巨大宇宙人のヒーローがテレビの中にいた事を。
サイズは10倍ほど違うのであるが、モニター越しで見るのであれば50メートルも5メートルも大きいことには変わりはない。
むしろ特撮は1メートル70の人間を技術を尽くして大きく見せているのだ。
実際5メートルの巨人を見てしまうとその迫力はこちらの方が上回るまである。
全長10メートルの地竜に対峙する5メートルの巨人。
地竜は全高は3メートル程なので見下ろす形になるのだが流石にサイズ感は地竜側に軍配が上がる。
しかし、メタルマギアマンは両手を広げて腰に当てた、いわゆる前習えのポーズで地竜の様子を伺っている。
地竜もこのメタルマギアマンには警戒を払っている。
迂闊に再度スピンアタックを仕掛ける様な事はしない。
対峙する二体。
どちらも仕掛けるタイミングを測っているようで有ったが、先に仕掛けたのは意外とメタルマギアマンの方だった。
メタルマギアマンは両手を前方でクロスさせる。
そこから光線が発射されたのだ。
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とにー




