第274話 スピンアタック
感想を少し頂きました。
とても嬉しいです。
「ウ、がガガガァーーーッ」
マシンジャイアントが吠えて、メタルマギアに突っ込んでくる。
その姿は一見何も考えて居ない魔物の本能による物に見えるが、間近で見ている見識者には違って見えただろう。
明らかな防御体制を取っているし、完全に覚悟の決まった特攻であると……。
実はこの魔装兵は人間の魂を魔物に合成しようとした失敗作なのだ。
魂の合成の際に色々と改造を加えられた魔物である。
合成には失敗して制御できない為戦争には利用出来ないが戦力的にはそれなりな為処分せずに置いておかれた。
新しい実験で魔人兵からの魂移植の材料にも考えられていたのである。
ただ失敗に終わったとはいえ魂の結合を試されたことにより若干の自我を有していたのだ。
魔物自体が元気なうちはそんな自我も表に出る事は無かったが、傷つき弱ることによってその自我が表に出てきたのだ。
魂の材料になったのはそれなりの兵士達で有り皇帝への忠誠は高かったためここに来て捨て身の行動を取ったのだ。
マシンジャイアント達は防御体制のままメタルマギアに突進すると弾幕を浴びながらも抱きつくように取り憑いた。
メタルマギアの視界を奪うと共に射線を塞いだのだ。
そして……。
それに呼応するかのように地竜が動いた。
ちょうど先ほど岩男君が冗談めかした様に。
その足と頭を中にしまって、そこから気流を吹き出して高速回転を始めたのだ。
この地竜も魂の合成を実験された個体で、失敗作ではあるが、実のところ1番成功に近かった個体でもあった。
ドラゴンという種族は実は人間に少しだけ近いのだ。
真龍の中には人化出来る存在もある。
亜竜とはいえ地竜もその特性を若干は受け継いで居たのだろう。
魂の結合に少しだけ適応したのだ。
故にメタルマギアの最初の強襲に対して結界を張ったり、消耗するまで待ちの体制を取ったりとか戦術的な行動が取れたのだ。
地竜は高速回転をしたままメタルマギアの一団に突っ込んでいく。
そのスピードはかなりのものではあるがメタルマギアの反応速度で避けられないほどでは無いのだがここでマシンジャイアントの特攻が生きて来る。
正直ボロボロのマシンジャイアントは直ぐに放り解かれてしまうのだが地竜のスピンアタックを当てる隙を作るのには充分だった。
逃げる隙を防がれてしまったメタルマギアは三体とも地竜の突撃に巻き込まれて大ダメージを負うことになってしまったのだ。
少しでも面白いと思われましたらモチベーションになりますのブックマークや評価をよろしくお願いします。
感想もぜひお願いします。
とにー




