第267話 シグワス
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ルアシーンside
ルアシーン軍の司令官はシグワスだ。
地方都市であるルナの兵士長と言う立場からは
随分と出世したものである。
ここ最近幾多の戦場での指揮を経験してきた彼は既に一廉の将の風格が出てきていた。
但し彼の戦術は全てススムによるものであり、彼自身が指揮をとっているとはとても言えない状況ではあるが……。
そんな事などとても思わせないような雰囲気を醸し出す事にかけては一流だった。
彼はがっしりとした体格に厳つい顔つき、睨まれたら気の弱いものなど震え上がってしまう様な風貌がそれに一役かっているのは確かだろう。
声も野太く、ともかく威厳がある様に聞こえるのだ。
仮の司令官としては十分及第点だった。
ススムとしては戦略的に見れは彼が目を引いてくれることはありがたいのでそのまま頑張って欲しいと思っているのだ。
今回も彼は軍議を開き、ススムからの指示を皆に、まるで自分の指示であるかのように伝える。
勿論、春花達はそれがススムの指示だと言うことは判っている。(カミーユは微妙ではあるが…)
一般の兵達はシグワスの指示だと思うだろう.
だがむしろその方が士気があがるだろうから問題ないのだった。
ススムからの指示は先ずは機動部隊の進軍だった。
アパッチは既にAIコントロールの寄るドローンと化している。
10式戦車も無人化されており先陣を切る機動部隊は例え壊滅しようが人的被害は出ないようになっている。
だが、戦争は戦争だ。
帝国側は人間の兵が防御に当たる。
そして死んでいく。
そんな一兵士の事をススムは全く気にしない。
かと思うと身内に対しては徹底的に甘いのもススムの特徴だ。
いろんなアーティファクトをデバイスとスタンリースのリーリエのスキルを利用して改造、改良を加えて、魂と細胞の保存が出来るアーティファクトを作り出した。
それによってそのアーティファクトさえあれば大事があっても生き返させることが出来ると言う仕組みなのだ。
ただしススムはそんな状況でも皇帝のスキルに対しては油断をしていない。
それ故の無人部隊による第一陣なのだ。
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とにー




