第265話 トーレス王国のダンジョン事情
魔人国の襲撃に対するため、トーレス王国内の状況に関してもススムは手をつけ始めた。
例えば王都の西北に位置する割と魔人国に対するための最前線にモリア領と言う領地がある。
ここを治めるのはジライアと言うCランク冒険者で爵位は侯爵だ。
彼は領地内に7つのダンジョンを抱えていて中々栄えた領地ではあるが7つのダンジョンの全てが有用かと言うとそうでもない。
むしろ冒険者が狩場にしているのはその内二つで残りの五つは難易度が高かったり僻地のため交通の便が悪かったりで利用されていない。
かと言って放っておくとダンジョンブレイクを起こしてしまう為、放置もできない。
ではどうするかと言うと、領主自ら定期的にダンジョンから魔物を間引きするのだ。
ジライアは移動には二輪でホバータイプにアーティファクトを使い、両手から高熱の球体を発生させるユニークスキルを持っていて魔物を倒して行くのだが五つのダンジョンを回るのにどうしても時間を取られてしまう。
最前線のCランク冒険者が防衛に時間を割けないのを危惧したススムは使用していないダンジョン五つを廃棄してしまう提案をした。
ダンジョンを廃棄するにはダンジョンコアを破壊するかして除去しなくてはならない。
これが結構面倒なのだ。
大抵のダンジョンコアはダンジョンボスが守っている。
若いダンジョンや小さめのダンジョンであれば尺たる強さでは無いが古く大きなダンジョンであればボスの強さも中々なものでCランク冒険者でも単独では手に余る。
しかも体よく倒せたとしてもコアを破壊した時に生じる魔素の流出が、ダンジョン外まで溢れ出し、周囲を汚染したり魔物の大量発程を起こしスタンポートの原因に成りかねないのだ。
これを防ぐためには少しずつ魔素を削って行かなくてはならず忙しいCランク冒険者に出来る仕事では無い。
ジライアはその事を危惧したのだがススムは全く問題無いと告げる。
実際ススムはルアシーンで20ものダンジョンを廃棄しているのだ。
ダンジョンコアはアイテムボックスに入れて仕舞えば全く問題無いどころかススムにはかなりの収入となるのだった。
まぁその事を正直に言う必要はないしここの冒険者ギルドも先駆けてアイテムボックスカードの導入をしているのでモール領の収入も上がっているのだ。
文句の出るはずも無い。
ダンジョンの廃棄が決まった時点でススムはスペーディアに指示をする。
スペーディアはあっという間に五つのダンジョンを廃棄してしまった。
そうしてススムの資産も一段と増えてwin-winの結果となった。
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とにー




