第263話 嵐影
嵐影彼は上忍の一人ではあるが……。
実は厳密には上忍では無い。
格的には首領で有るハットリより上なのだ。
何故なら彼はオンラインショップがランク5に成ってからのユニークユニットで有りその戦力は覚醒勇者と互角と言う存在だった。
彼は地上より500メートルほど離れた上空にいた。
そこに有る竜巻の中にいるのだ。
「任務、了解だ。」
雲影との通話を切ると、嵐影は地上を見つめる。
彼のユニークユニットとしての最初の名は『嵐』
それをススムが部下の忍者の不文律として影の名を与え、「あらしかげ」では語呂が悪いのと特別感を付けるために、『ランエイ』と名付けたのだ。
街から1キロほど離れた場所で脱出者達は道を外れて林の中に入った。
街道で行動を起こしても特に問題は無いのだが折角ここまで誰にも気がつかれに来たのだ、あえて目立つ行為をする必要は無いだろうと考えたのだ。
林の中に入ると周りを見回す。
自分達より後に出てきた家族と思わしき集団は荷物が多いせいか移動が遅くかなり距離が離れていて自分達には気がつかないだろう。
彼らはそこで偽装を解いた。
頭には三本の少し捻れた角が生えてきて顔に紋様にようなものが浮き出てくる。
服を着ているせいか体は分からないが、当然体にも紋様は有るのだろう。
老人だった背の曲がった男は背筋がピッシリとした偉丈夫の体型に成った。
もう1人の男も同じだ。
こう成ってしまえばもう周りを気にする必要もない。
二人は空中に舞い上がった。
そうして結構な高さまで飛び上がる。
「ここでの任務は終わったな。」
高度をとって安心したのか片方の男が話しかける。
「そうだな、流石に30年は有る程度長く生きる私たちでも長かったが……。」
「若の指令も果たせたからな、後は国に帰って成果を見せるだけだ。」
上空遥かな場所にいるのだ、誰も聞いているはずはないので自然と声も大きくなる。
しかし……。
「その話、詳しく聞かせて貰おうか?」
彼らの頭の上から声が聞こえた。
「なっ!」
驚きそちらを煽り見る魔人の男、そこには旋風の中に佇む一人の忍者装束の男が居た。
「くっ!」
二人の男は即座に攻撃の体制を取る。
野良魔人は空中では攻撃の体制は取れないが魔人兵で有る彼らはそんなことも無く空中戦闘も苦もなく行えるのだ。
魔人兵対策として空中移動か遠距離攻撃は必須である。
魔人兵達から斬撃が嵐影に飛ぶが、旋風がそれを阻む。
驚く魔人兵達に向かって嵐影は背中の刀を抜いた。
「一撃では落ちるなよ!」
そう言いながら急加速して魔人兵の間に突っ込んで一閃する。
凄まじい衝撃とすると閃光が魔人兵達を襲う。
魔人兵達はシールドだけでは防ぎ切れないと感じたのだろう魔力による力場を作り出しなんとかそれを受け流した。
「ぐあぁぁぁー!」
それでも無傷とは行かず全身に切り傷を追い呻く魔人兵達。
このまま嵐影の圧勝かと思われたのだが……。
「仕方がない。」
そう言いながら片方の魔人兵が胸に手を当てる。
「させるか!」
何かを感じた嵐影が切り込もうとするが同じくタイミングを測っていたもう一人の魔人が貼っていた力場を周りに展開した。
それは嵐影の行動を完全に防げる物ではなかったが一瞬の隙を作ることには成功する。
その間に魔人の狙いは発動したのだ。
眩く発光したその後に、二人の姿は消え去っていた。
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ススムの仲間で単体で空中攻撃できないのはススムとカミーユで岩男君も射程と発動スピードで問題ありです。
ススムはMSに乗るとしてカミーユと岩男君は特訓中だったりします。
岩男くんもMS乗りたそうですがw
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とにー




