第262話 雲影
私は上忍の雲影。
私の任務は帝都から移動する人物の監視だ。
私は上忍の中で最も情報収集に優れているので現在ススム様の指令で帝都から出ようとする不審な人物や物を監視、報告しているのだ。
帝都は人口が多いだけ有って戦時中であろうともかなりの人数が出入りしている。
ただ入るのにはかなり厳重な審査を受けているのに出ることに関しては割とザルだ。
帝都ではいつルアシーン軍が進軍してくるか分からないので不安に思い避難する民衆も増えているので一々審査もしてられないのだろう。
それ故に我々の監視も労力が掛かっている状況ではあるが、ススム様が言うには「必ず不審な脱出が行われる。」との事なので無数に飛ばした偵察用ドローンによって厳重にチェックを入れているのだ。
先程も家財道具を台車に乗せた家族が門を通って行った。
ドローンからのサーモセンサーで家財道具内に異常な熱源を感知したと部下が伝えてきたが……私はそれをスルーする。
ススム様の指令からすると相手は相当なやり手だ。
そのような者が見つかった場合言い訳が聞かないような偽装をしてくるわけがない。
おそらく家畜とか持ち出し不可のものを隠しているのだろう。
私は特に正門を直視する。
そう言う者に限って正々堂々出ていくものだ……。
私はドローンから送られてくる映像の存在値を確認していく。
一般人の存在値は100〜150だ。
冒険者であれば250位有ってもおかしくは無い。
覚醒勇者なら5000を超えるので一目で異常が解るのだ。
今ここを通る者達は一般人が多いので120前後の物が多い。
私はその中から気になる人物を見つけた。
年老いた親と付き添う息子と言った感じの2人連れだ。
2人とも存在値は125。
特におかしくは無い……。
おかしくは無いのだが二人とも同じ数字なのが妙に気になった。
偶然、と言うことは普通にある。
所詮50程の差しかないのだ。
しかし、じっくり見ると不審点に気がついた。
二人とも存在値に揺らぎが無いのだ。
実は存在値は体調などで増減する。
とは言え1、2程度で有り過ごす上での不便は無い。
その数字が上下する際に揺らぎのような物が発生するのだ。
ただしこれは私のような専門家でないと見逃してしまう。
多分何かのアイテムかアーティファクトで偽装しているのだろう。
私はその二人組にドローンを固定して監視を続ける。
その者たちは門を出て街道を歩いて行く。
500メートルほど歩くがその間揺らぎはない。
若者はともかく年老いた老人は存在値の揺らぎが無いのはおかしい。
私はスマホにて控えている同僚に連絡した。
上忍最強と言われる嵐影にだ。
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とにー




