第261話 その時地下では
少し話が進みます。
ここはボーヤン帝国、皇宮の地下。
人造魔人兵が研究されていたラボ。
人造魔人兵をロールアウトした後も研究は続けられていた。
そこで行われていたのは最悪の研究。
人造魔人の魂を人造魔物に移植する研究だ。
元々人造魔人用の魂は人間の魂を凝縮した物で魔物に定着することは不可能だ。
その構成する要素が違い過ぎるのである。
しかし、魔人の魂は魔物に近い構成のされ方をしている。
つまり魔人の魂であれば魔物に移植することが可能では無いかと思われたのだ。
しかし、魔人の魂が帝国で手に入る物ではなく、サンプルが少なすぎて研究にならなかったのである。
そこで考えられたのは、一度人造魔人として定着した物であれば魔物にも定着するのでは無いかと言うことだった。
既に亜人系の魔物。
サイクロプスへの移植は成功している。
四股の形状が同じ亜仁系の魔物は魂の構成も近いのであろう。
それでも今まで人間の魂では成功しなかったから一度魔人で慣らせるのは正解だったようだ。
そして今回は全く形状の違う魔物に魂の移植を試みる。
ジャイアントスパイダー。
これで大丈夫ならおそらく研究は完成したと言って良いだろう。
準備され、装置に入れられたジャイアントスパイダーの死骸と人造魔人兵が並べられチューブで繋がれている。
研究員の男が機械を操作すると光が走った。
そして動き出すジャイアントスパイダー。
しかし、暴れることもなくじっとしている。
男はジャイアントスパイダーに話しかける。
「聞こえているなら右の前足を上げてくれ。」
ジャイアントスパイダーはその言葉を認識してその通り右の前足を上にあげた。
「よし、成功だ!」
沸く研究室。
これ以降はもっと強力な魔物に移植すれば良いし現状でもこのジャイアントスパイダーは様々なスキルが使える特殊個体な上人間の思考が使えるため戦術も行えてかなり厄介な魔物となっている。
しかし、快挙に沸く研究室の中主任の研究員の二人が怪しい行動を取った。
いや、疲れたから少し休んでくると言うのはさして怪しい物では無い。
ただ、もっと喜ぶかと思っていた他の研究員からしてみれば少し異様に感じる位で有っただけであるが……。
しかし、主任と副主任の研究者はその日から姿を見なく成った。
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とにー




