第260話 閑話 爵位
いつも誤字報告ありがとうございます。
トーレス王国の爵位は一般的な国とは少し異なる。
冒険者の国と呼ばれている通り冒険者の地位が高いのだ。
Cランク冒険者が騎士爵扱いと言われているが寧ろCランク冒険者しか騎士爵は居ない。
それもその筈一般的に騎士爵は武功に応じて与えられる爵位であるので覚醒勇者を差し置いて武功を上げることなど一般人には不可能だ。
つまりCランク冒険者=騎士爵と考えて問題は無い。
そしてその上に男爵があるのだがここでまた少し変わった規定がある。
Cランク冒険者は男爵にならないと言う決まりだ。
Cランク冒険者を男爵にすると男爵が多くなり過ぎるのと、逆に男爵にCランク冒険者がいない事が分かれば区別がつきやすいと言うのが理由らしい。
その規定によりCランク冒険者が陞爵する場合は子爵からとなる。
ススムが突然子爵になったのはその規定によるものだったのだ。
実は男爵はほぼ降爵でしか生まれないのだ。
子爵と成ったCランク冒険者が五世代覚醒勇者が生まれないと男爵に降爵される。
故に男爵はトーレス王国では騎士爵扱いのCランク冒険者より下に見られるのだ。
ただし、Cランク冒険者は騎士爵扱いであって正式な貴族では無い。
貴族になると色々な義務が生じるため、例え成果を上げていても陞爵を辞退するCランク冒険者の結構居る。
しかも大きなイベントも無く大きな成果を上げるものが居なかったのでここの所陞爵自体が行われていなかったのだ。(帝国との戦争は防御に徹している事もあり成果としてはあまり認められてはいない)
つまりススムの偉業(ドラゴンスレイブやルナの解放及びルアシーンの奪還)があまりに大きかったのでススムの陞爵に異議は出なかったし、やっかむものもあまり出なかった。
特に覚醒勇者はギアスによってその部分も抑制されているようだ。
とは言えギアスから完全に解放されてしまっている男爵家ではやっかむ者が全くいない訳ではない。
特に最近ススムはトーレス王国内の他の都市にもアイテムボックスカードの導入を推奨し出したからだ。
これはアティによる管理が可能になり導入がとても簡単に成ったのが理由だ。
ギルドにアイテムボックスカードの導入は領主にとって明らかに増収に成るので殆どの土地では歓迎されたのだがやはり偏屈な人物はいるもので内政干渉だと良い顔をしない者もいた。
それでもSランク冒険者の施政に表立って反対することは出来無い。不利益をこう訳でもなければ尚更だ。
内心不満を持っていても渋々受け入れるしか無い。
とは言えこう言った不満をススムと言うかアティが疎かにしない。
良くある展開ではこう言う不満がイレギュラーを起こす物だがそれさえもススムは意識している。
ススムが意識していることはアティがケアをすると言うことなのだ。
ギルド改革は順調に進んで行った。
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とにー




