第250話 銃火器
私が身構えると同時に下忍たちも攻撃の体制に入る。
このサイズ差、スピードを凌駕出来るほど忍者たちは強くは無い。
忍者たちはあくまで対人戦ならそれなりに強いが魔物を相手にするスキル構成では無い。
魔物でも人型なら急所を狙ったりして戦えるがそれ以外に対しては冒険者より劣るのだ。
しかし、今回ダンジョン攻略に置いて準備を怠っては居ない。
そんなことはススムも理解しているのでそれなりの装備を用意させたのだ。
忍者たちはアイテムボックスカードから個々に武器を取り出す。
それは、ショットガンやライフルなどの銃火器だ。
彼らはそれを構えると飛んでくるタマムシに向けて一斉射撃した。
しかし、タマムシの装甲は厚くライフル弾さえ弾いてしまう。
とは言え全くダメージが無いわけでは無いし、バラ撒かれた弾丸が羽や関節など柔らかい場所には少しだけダメージを与える。
それによってタマムシも少し怯む様に動きを鈍らせる。
そこに月影が用意した対戦車ライフルが火を吹いた。
少し動きが鈍ったタマムシの顔面を狙ったその弾丸は複眼を一つ持っていく。
「ギャガーーーーーッ」
凄まじい奇声を発してタマムシはバランスを崩す。
その瞬間私は、空中にいた。
瞬時に足場を作ってその上に立って居たのだ。
そしてバランスを崩してスピードを落としたタマムシ向かって持っていた剣を振り下ろす。
この剣は空間支配によって作り出された物で、そのサイズは魔力次第で自由に変えられる。
20メートル程に伸ばされた剣はタマムシの首関節を貫き、そのまま地面まで突き刺さった。
そして突進の勢いそのままタマムシを真っ二つにしたのだった。
タマムシ自体はそこまで強い魔物では無い。
ワルフェアのダンジョンで言えば覚醒勇者用の階層の一つ前。
熟練のDランクパーティーであれば何とか対処できる位の魔物だ。
覚醒勇者である私ならさほど苦労せずに倒せる筈なのだが、やはりまだまだ実戦経験が少ないので初見の魔物には手こずってしまう。
月影達の援護はとても助かるのだった。
戦闘後私達は前進を再開する。
その後も何度か襲撃を受けたが無事に切り抜ける事ができた。
ここに現れる魔物は巨大化した昆虫の物が多い。
入ってきた入り口自体が最下層と同じ位置にあるので最初から大物が出てくるのだ。
要塞に有る入り口付近は弱い魔物から現れるのだが……。
そうして私たちはラスボスの間にたどり着いた。
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とにー




