第248話 月影
ミーリアside
「行くよ、月影ちゃん。」
私は忍者部隊のリーダーである上忍の月影に声をかける。
月影ちゃんは今回私のダンジョン攻略のサポートをするために先輩に派遣された忍者だ。
しかし忍者って相変わらず先輩ってオタクだよね。
勿論私も嫌いじゃないけど……。
月影ちゃんは私がちゃん付けで呼ぶように女の子だ。
口元は覆面で隠れているがその目元や僅かに見える鼻筋から美少女だと思われる。
彼女は月の灯りの中での行動、夜の諜報活動を得意としている。
鍵開け、罠察知、罠解除などにも精通している。
ダンジョンなどでは頼もしい存在だ。
勿論身体能力は覚醒勇者である自分に敵わないが、その辺の魔物に負けない能力は持っている。
「はい、了解しました。ミーリア様。」
月影はそう返事をすると、配下の忍者に指示を出す。
そうするとぽっかりと開いた洞窟の中に配下の忍者たちが入って行った。
下忍と言われる部下の忍者たちの動きも一般人の動きとは一線を描く。
ダンジョンの暗闇に次々と身を踊らせて行った。
下忍たちの仕事はあくまでもミーリアの護衛だ。
強さ自体はミーリアの方が上だが何かアクシデントが有った場合下忍たちが体を張ることになる。
勿論下忍たちもアイテムボックスカードによる退避が有るので命の危険はそこまで有るわけでは無いが転移トラップ等でミーリアがリタイヤする訳にが行かないのでそんな事にならない様に下忍たちガードするのだ。
このダンジョン自体は要塞側からはそれなりに探索されているがこちらの入り口は随分放置されている。
おそらく何十年も使用されていないだろう。
ここから入って一度最深部まで行かなくてはならないので何が有るかは分かっていない。
ただマップは有るのでそこまで困難だと言うことは無いだろう。
「月影さんは行かないの?」
私が尋ねると彼女が答える。
「今から入りますがここは本来出口ですよね?この手のダンジョンは出口にトラップが有るケースが多いので先に下忍に探らせます。」
そう言って微笑むと
「それでは私も入りますのでミーリア様もお続きください。」
そう言ってダンジョンに入って行った。
私もそれに続いてダンジョンの中に進入した。
ーーーーーー
随分間が空いてしまいましたが再開です。
できる範囲のペースで進めたいと思います。
少しでも面白いと思われましたらモチベーションになりますのブックマークや評価をよろしくお願いします。
感想もぜひお願いします。
とにー




