第246話 ミーリアのスキル
「出来ました!」
ミーリアが喜んで俺の方に駆け寄ってくる。
彼女は右手に一本の剣を握っていた。
それは無色透明で有るが光の屈折の違いで僅かにその形を窺い知る事が出来る。
その剣は彼女のスキル空歩で使用する足場を応用したものだ。
スキルは使用する毎に熟練度が上がり応用が効くようになる。
ミーリアのレベル上げを行ったのはMPを増やしてスキルの使用回数を増やすためだ。
ミーリスはMPを増やした後スキルを連続して使用した。
彼女はここまでスキルは最小限でしか使用していなかったので熟練度はかなり低いのだ。
21層の空をひたすら歩き続けるミーリス。
延々とスキルで足場を作って歩き続けるのは中々に苦行であっただろう。
たまにワイバーンが襲ってくるが既にレベルが上がって、戦闘の経験も積んだ彼女は危なげもなく処理していた。
そんな努力もありブロックを作る速さもそのサイズも段々成長していったのだ。
そして有る程度成長した時に俺は幾つかのヒントを与えた。
それは形や質を変化させることだ。
具体的には剣を形取ったりレンズを形取ったり、質に関してはクリスタルの質感やダイヤモンドの質感、逆に柔らかい質感なども目指させた。
俺の指示や彼女の努力によってミーリアのスキルは飛躍的に成長して行ったのだ。
ひとまず形や質感はかなり自由に操れるようになってきた。
彼女の空歩は既に空中を歩くだけのスキルでは完全に無くなっていた。
例えば前面に貼って光の屈折を変えればそこに居ないように見えたり、剣に変えれば中の空間を緩衝材として春花の光の剣でさえ受ける事が出来る。
剣の切れ味も生半可な魔剣以上だ。
攻防に優れたスキルとなったので俺は彼女にバンドリューク砦の攻略を任せた。
彼女にはミーリスの元でサポートしてもらいたいと思っているから手柄を立てることも重要だろう。
バンドリューク砦さえ落として仕舞えばドーステン奪還も簡単になる。
その役目はかなり重要視されるだろうから実績としては十分だろう。
少しでも面白いと思われましたらモチベーションに成りますのでブックマークや評価をよろしくお願いします。
とにー




