第240話 人造魔人vs召喚勇者④
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前島side
斬撃や魔法の嵐が吹き荒れた後、1人の魔人がボロボロになって立っていた。
しかし、その魔人が崩れ落ちた後、そこには二体のの魔人が無傷でいたのだ。
あれだけの範囲攻撃が行われたのだ。
いくら一体の魔人を盾にしたところで後ろにいる魔人達も無事で済むわけはない。
それに大塚のスキルは対象を貫通するのだ。
盾を作ったところで全く有効では無いのだ。
スキル……スキルか?
もしかしてダメージを肩代わりするようなスキルを使ったのかも知れない。
前に本で読んだことの有る。
そんなスキルが存在することを……。
しかしその場合移し替える対象が生存している必要がある。
あれだけの攻撃を受けても生存していると言うのは流石に魔人の生命力を甘く見ていた。
即座に魔人達からの反撃がある。
不可視の斬撃を連発してくる。
動揺していた俺達はその攻撃をまともに受けてシールドが粉砕されてしまう。
更には俺は脇腹、大塚は左腕に斬撃を受ける。
俺達も耐久力は上がっているので致命的では無いがそれなりの傷だ。
俺達はすぐシールドを貼り直すと俺は回復魔法を使った。
二人とも光に包まれて傷口が塞がった。
しかし失った血は戻ってこないしダメージは蓄積されている。
それでも活動するのには問題はない。
俺は落ち着いて動揺を抑える。
結局2対2になっただけだ。
まだ不利になったわけでは無い。
「大塚、落ち着け。ここからが勝負だ!」
俺は大塚にそう伝えるが、その時思っても無い事態が起きた。
先程倒した二人の魔人が起き上がって来たのだ。
「馬鹿なっ!」
俺は叫んだ。
大塚が肩をパックリ切った魔人も、俺が脇腹を持って行った魔人もそう簡単に治る傷では無い。
例え高レベルの回復魔法があったとしても、一命を取り留めるのが精一杯の筈だ。戦闘参加は不可能だろう。
しかし、魔人は既に傷が塞がっていて、脇腹も元の形に戻りかかっていた。
訳がわからないが、解っているのは途轍もなく不利な状況にいると言う事だ。
撤退か?
いやここまで接近していればそれも難しいだろう。
俺は戸惑いを隠せなかった。
しかし、敵がそんな逡巡の隙を見逃してはくれなかった。
二体の魔人がこちらに突進してくる。
隙をつかれた上に行動の意図が読めずに一瞬身構えた俺達に対して両手を広げてくる魔人。
そしてそのままシールドに掌を当ててシールドを破壊した。
「くっ、シールド破壊攻撃か?」
気がついたときには既に遅かった。
俺達は魔人たちの攻撃で地に伏せる事となった。
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とにー




