第237話 人造魔人vs召喚勇者
ちょっと体調不良とか色々あって1週間お休みしました。
また連載頑張りますのでよろしくお願いします。
前島side
ボーヤン帝国の攻撃が始まった。
俺は指示通り最初の攻撃は見ているだけだ。
大軍同士の激突はそれなりに迫力は有るが何か映画でも見ているようだ。
最初の白兵戦は剣での斬り合いになる。
乱戦になると飛び道具は取り回しが悪い。
コレは前に映画で見た中国の歴史を描いた漫画の実写版を思い出される。
隣では大塚が、
「おーすげー。」とか
「こりゃヤベェな。」とか
語彙力の足りない馬鹿そうな感想を漏らしている。
まぁこいつに解説役とか期待していないので良いだろう。
俺は俺で俺の出来ることをするだけだ。
「分かってるな?俺とお前は同時に出動するが距離は少し離れる事。およそ50メートル位だ。その距離を忘れるなよ。」
俺は最重要事項と言われている指示を大塚に確認する。
「解ってらー。しかし、めんどくセー。なんでそんな事しなきゃならねぇんだ!?」
「……………。」
説明は有ったがどうせ聞いていなかったのだろう。
能力の上がった俺達は記憶力は上がっている。
ちゃんと聞いていれば覚えていないはずは無い。
数値による知力の上昇はいわゆるところの脳の箪笥の容量が増えたと言う事だ。
想像するに恐らくは10倍くらいに成っていると思われる。
ただし、いくら箪笥が大きくなってもそこに服を入れなければ部屋は散らかったままだ。
大塚は興味があることしか箪笥に仕舞わないのであんなんなのだろう。
正直俺がいちいち説明することでもないのでスルーだ。
奴も特に答えは求めて居なかったみたいで、それ以上は言葉を続けなかった。
数千同士の激突はなかなか壮観ではあったが、どちらも守備的に戦っている所為か、結果は小競り合いの様なものだ。
本番はここからだからな。
歩兵の撤退が完了すると次は起動兵器同士の戦いとなる。
俺たちに出番ももう直ぐだ。
帝国側からその名に恥じずなんか宇宙戦争に出てきそうな感じの近未来感の有る大型二足歩行兵器が出てくる。
対抗する王国側は近代兵器だ。
話には聞いていたがあれは確かに戦車だな。
ネットとかテレビで見たことがある。
ヒトマルシキ戦車だ。
なんであんな物が有るのかは気になるが、俺達が召喚されたのだ。
何かの拍子にこそ世界に来ていても……。
そう言えばこう言う話は恵巳君が好きだったな。
大塚よりも彼の方が話は合ったのだが……元気にしているだろうか?
そうこうしているうちに大型火砲同士が撃ち合いを終えて俺たちの出番となる。
俺達は撤退する敵軍の追い討ちがメインだ。
出来れば敵の前陣を壊滅してくるように言われている。
俺たちは一定の距離を保ちつつ追撃する。
あの手の大きな的は二人とも得意にしている。
立ち所に敵の大型機動兵器を3台ほど破壊した。
更なる獲物を求めて先行する大塚の足が止まった。
大塚は前方を警戒する様に見つめている。
俺は訝しげに大塚の視線の先を見るとそこには魔人がいた。
今まで何体か倒した野良魔人と言われている奴だ。
正直あの程度なら三体ぐらい大した敵ではない。
筈だった……。
しかし俺達には危機感知が有るのだ。
俺達の危機感知のセンサーには奴らの脅威度が感じ取られていた。
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とにー




