第232話 ブラックホール
ルシフェラは俺の言葉に少し表情を崩して、
「じゃぁ私の本気を見せてあげる。」
そう機嫌良さそうに言った。
分かり易いツンデレだ。
やっぱりツンデレは王道だよなとススムは微笑ましい気分になる。
しかし、見せられた情景は微笑ましいとは対局に有る景色だ。
上空を漆黒に染める黒球。
そのサイズは直径1キロメートルにも及ぶ。
俺たちの上には無いために俺達まで暗闇に支配はされては無いのだけれど、
黒球の真下はほぼ漆黒のように光を通さない空間となって居る。
そして、その黒球に向かってその範囲の生物が全て吸い込まれていく。
ここには魔物しかいないはずなので、抗うこともできずに上空に舞い上がる。
もはやサウザンド・ライトニング・ブレイクとほぼ変わらない威力だ。
もう一度言うがここには魔物しか居ない筈なので……。
「きゃー、助けてー」
とか聞こえてきたのはソラミミだろう。
話は変わるが空耳ってカタカナで書くと可愛いよねって現実逃避をして見る。
一応この層は利用する際に申告が必要だ。
いやこのルールは前は無かったのだけどイヴが一度倒れてから俺が付け加えた。
今日は申告は無かったので誰もいないはずだ。
やっぱり先ほどのはソラミミだろうな。
「ススムっち助けてー。」
しつこいなソラミミ。
なんかダブルを交互に出して悪あがきしているな。
そろそろ耐え切れないだろう。
あっ吸い込まれた。
俺に所持物に対してもフレンドリーファイアー付ける設定にしとかないとな。
まぁブラックホールの出口であるホワイトホールは俺のアイテムボックスにしてあるので問題無い。
俺はアイテムボックスからカミーユを解放する。
「ススムっちヒドス。」
カミーユが講義をするが
「この階層を使用するなら申告しろって言ったよなぁ?」
俺が追求すると
「面倒かったから。」
と帰ってきた。
LINEくらい打てよ。
お前得意だろ。
俺は心底呆れるのだった。
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ツンデレの定義はまぁあまり追求しない方向で。
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とにー




