第230話 ガチャ3
またガチャの季節がやってきた。
勿論引くのはユニットだ。
アイテムはオンラインショップで買えばいいからな。
それに戦力はどれだけ有っても多過ぎることはない。
この後、魔人との戦争も控えているので尚更だ。
俺は期待を込めてガチャボタンを押す。
デバイスのディスプレイには相変わらずのガチャアクションが表示されて現れたのは……ピンクでゆるふわっとウエーブが掛かったロングの髪の毛。
クリッとした大きめの瞳。
薄い唇。
スッとした鼻筋。
目尻は少し吊り上がって気の強そうな雰囲気を思わせる。
そんな表情に似合って扇情的な衣装を身に纏っている。
ビキニと思われしき上下に腕と肩だけを隠すトップス。
そして特徴的なのは頭の捻じ曲がった角とお尻の尻尾、背中のコウモリを思わせるような羽だ。
ひと目見て分かる。
彼女は悪魔なんだと。
彼女に名前はルシフェラ。
ソロモンクエストと言うソーシャルゲームの隠しキャラだ。
レアリティはEX。
このソロモンクエストは美少女になった悪魔と一緒にクエストをこなすRPGだ。
このゲームを作った会社は女神ストライクを作った所と同じで、所謂女神と悪魔と言う対極を示していて何回かコラボもあった。
その際、スペーディアとルシフェラはライバルと言う形で表されたのだ。
剣による攻撃とオプションパーツを使いこなすスペーディア。
魔法と物理攻撃を高レベルで使いこなし、万能に動けるルシフェラ。
ルシフェラは単体でも飛行ができるし物理攻撃もザウシウス程度ならシールド込みでも一撃で倒す事が出来る。
強力な戦力に俺は心を踊らせた。
「ルシフェラ、よろしく頼むよ。」
俺が右手を指し出すと、ルシフェラはそれをじっと見て。
「ふん、仕方が無いから協力してあげるわ。感謝しなさいよね。」
そう言いながらも差し出した右手を握った。
そう言えば彼女はツンデレだったっけ。
そう俺は思い出した。
「ルシフェラ、あなたはいつもススム様に無礼を働いて!」
いつのまにか来ていたスペーディアがルシフェラを非難する。
「あらスペーディア居たの?私がススムを手伝うからあなたの出番はないわ。」
「くっ!」
睨み合う二人をススムは温かい目で見守るのだった。
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とにー




