第229話 移植
ススムはリーリス達をレオン達が居る病院まで案内する。
レオン達はベッドに寝ていると言っても身体の方は治っている。
リーリスが来た事で全員が起き上がった。
俺はレオン達アダマンタイト級冒険者達を病院にある会議室に来てもらう。
そしてとある提案をした。
それはスタンリース国を俺に譲って貰うと言うことだ。
これが何故必要かと言うと、この事によって今あるスタンリース国の建造物をアイテムボックスを介して、そのままルナの隣に移動することができるのだ。
そしてレオン達はそれを了承する。
アイテムボックスに入っていないリーリスは少し逡巡したがレオン達三人が賛成したのだ。
それを否定する事は出来なかった。
「安心していい、別に国を奪おうとするわけでは無い。便宜上と利便性を考えてのことだ。住民の皆さんは今まで住んでいた住居の方が安心できるだろう。」
ススムにそう言われれば納得するしかなかった。
この国は合議制でこの四人の賛同が得られた時点で譲渡は完了する。
クローディアも実は会議には参加するが、あくまで意見が割れた際のオブザーバーだ。
四人の意見が揃った時点で方針は確定してしまうのだ。
「それでは実行しよう。君達は自分で転移出来るのだったね。」
俺は、DHに連絡を取りアイテムボックスに国自体を収納する。
人造魔人は特に建物の破壊はしなかったので建造物はそのままになっている。
多分もう少しすれば帝国の部隊が制圧に来るのだろうが、誰もいないのだ、まさか建物が全て無くなるとは思いもしないだろうから特に急いで来ることは無いだろう。
譲渡が済んでいればDHでもアイテムボックスに収納はできる。
但し、出すことはススムにしか出来ないのだ。
ススムは団地の有る場所に転移する。
そこには整地中の土地があった。
追いかけるように転移してきたレオン達や、その転移先であっただろうアーティファクトを所持していたクローディアを集めて俺は言った。
「この土地が整地され次第、国の建物をここに設置する。それで構わないな?」
「はい、元々閉ざされた土地だったのですからそれで構いません。ルナの街と行き来出来るのは願ったりです。」
レオンが素直に礼を言う。
「そうか、それは良かった。もしこちらの住まいが気にいる様ならこちらの住んでも構わん。民達の好きな様にしてくれ。ルナとの細かい取り決めは政務官であるボーランクと話し合ってくれ。」
「解りました。何から何までありがとうございます。」
そう言ってレオンは深々とお辞儀をした。
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