第227話 氷像
レオンから戦闘終了の連絡が有ったのでリーリスはクローディア達を連れて屋敷の玄関まで来る。
するとそこには惨憺たる光景が広がっていた。
フロストドラゴンのブレスが屋敷の中まで影響しており、特に開けていた玄関は完全に凍りついていた。
当然そこにいた衛兵や領主も一緒にである。
しかも間が悪いことにドラゴンが暴れた余波を受けたのだろう。
その氷の彫像はバラバラに砕け散っていたのだ。
もはや蘇生をする事さえ許されない状況にクローディア達住民は青褪めた。
しかしリーリスは現状を正確に分析する。
「地下まで冷気が届いていたからね。私が来なかったらヤバかったかも?でもレオンは計算通りとか言うんだろうな。」
その後リーリスはレオン達と合流する。
屋敷の敷地の中は玄関の惨状より少しマシだ。
何故ならフロストドラゴンの冷凍ブレスの余波を直接受けたせいで氷の彫像がちょっとやそっとじゃ壊れないほどカチカチに成っているからだ。
玄関ほど悲惨では無いが生きているものは居るとは思えない状況ではあるが……。
領主屋敷の周りには遠巻きに見ている逃げた冒険者や衛兵、そして騒ぎに集まってきた野次馬がいた。
領主屋敷の外には殆ど被害が出ていない。
それはレオンがそうなる様に調節したからだ。
実際にスキルを使ったのは主にパトリックだが、レオンの指示通り動いたに過ぎない。
戦闘が済んでも周りの者達はまだ警戒しているのか遠巻きに見ているだけだ。
そんな時にクローディアが門から外に出た。
そして大きな声で宣言する。
「この被害は父が雇った召喚師が召喚した魔物に寄るものです。父はその余波で死亡しました。悲しい結果ではあります。しかし、地下牢から魔物に攫われたはずの住民が見つかりました。父と召喚師はグルになって召喚した魔物によって住民を攫っていたのです。」
「父の蛮行はお詫びいたします。私はこの街を正常にしていきたいと思っています。」
生き残っていた衛兵はクローディアの親派の者が多く、ギルドとは良好であった為街の住民からは支持を得る事が出来た。
ただこれが国に認められるかと言うとそう簡単にはいかない。
領主の悪事がバレると困るものが国の中枢に居るからだ。
レオンは先程牢屋で思考していた時にすでにそこまで考えていた。
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領主を倒すだけなら、あんな時間考えていません。
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とにー




