第218話 ルナの街
リーリスとスタンリース国の人達は一度ルナに身を寄せる事となった。
ルナの街はダンジョンと繋がっている為半島の付け根の部分に街が出来ている。
そして半島の先の部分には十分の土地がある。
整地はあまり済んでいないので大急ぎで整地して出来次第団地を建てていく。
少し鮨詰めになるが30棟も建てれば一万人の収容も可能だろう。
食料や生活必需品なども支給する。
仕事して斡旋するのはやはり冒険者だ。
若者にはどんどんダンジョンを攻略してもらう。
ルナの冒険者ギルドも賑わって居るからすぐに慣れるだろう。
ルナのダンジョンは少し改造してルナ側の入り口から一階まで行けるエレベーターを作った。
これによってルナ側の入り口から入ってもどの階でも行ける様になった。
そして一層ではウッドゴーレムやスケルトンなどの石級冒険者でも倒せる魔物が沸くようにしたのでそこそこ稼げるダンジョンになっている。
特にゴーレム系は素材としても美味しいので良い狩場となっている。
それもこれもやはりアイテムボックスカードのお陰だ。
本来なら嵩張るためそんなには持ち運べない。
稼ぎが全然変わってくるのだった。
リーリスがルナの港に着いた時の水影に対する第一声は、
「レオン達、スタンリース国の冒険者達の仔細を貴方は知っているの?」
それに対して水影は無表情に話す。
「私は存じ上げませんがススム様が手を回しているはずなので大丈夫でしょう。」
「でも、さっき国に近づいた時、一瞬念話の範囲に入ったのに連絡できなかったの。本当に大丈夫?」
リーリスは焦りが見える。
きっと本来なら念話が通じなかった時点で飛んで戻りたかったのだろう。
しかし民の為にそれが許されなかった。
何故ならもしパトリックが倒れていた場合空間拡張の術師がいなくなったと言うことだ。
今その空間拡張を制御しているのはアーティファクトの作成者であるリーリスだ。
リーリスが離れると空間拡張が解けてしまうのだ。
水影は鷹揚の無い声で返事をする。
「分かりました。確認して見ましょう。」
そしてDHに連絡を取る。
そしてその返事を見てそのままリーリスに告げる。
「なるほど、アダマンタイト級冒険者達は全滅したようです。」
「そんな……。」
その言葉にリーリスはショックを隠せない。
そして、
「でも大丈夫です。ススム様が手を回していますので。」
と言った水影の声さえ届かないほどリーリスは呆然としていた。
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