第217話 DH
DHside
ススムさんの指令で僕はスタンリース国へ侵入した。
指示通りレベル5魔法でカムフラージュしながら結界をスキルで一旦消失させる。
虚空を使えば結界の一部を無かったことにすることなど簡単だ。
難なく侵入して国の中を捜索する。
ススムさんからの指示は後三つ。
そのうち二つは襲撃前に済ませることなので早速実行する。
一つは結界の発生装置の確認とその操作法だ。
僕は急いで中央にある塔に向かう。
あそこに管理システムがある可能性が高い。
ススムさんの予測によれば今回結界を攻撃したことで結界の管理を行うだろうと言うことだ。
塔の入り口には監視システムがあるがスキルによって姿を消した僕はそんな物には反応しない。
中に入っていくとちょうど女の人が足早に移動している。
僕はその後を着いていくと思った通り結界の管理システムに到着した。
しかも都合のいいことに魔石の交換をするようだ。
僕はそれを見て交換法や起動法を憶える。
これで一つ目は完了だ。
そして二つ目は避難手段の確認だ。
これも女性に着いていくと確認の為なのか彼女は港に向かった。
そこには40メートルくらいの潜水艇が置いてあった。
これだと乗せて100人位だろうと思う。
この国には1万人くらいの人口がいる筈だ。
とても避難には使えないだろう。
それとも一部の者だけ逃すのかと訝しんだが、ススムさんに連絡すると返事が帰ってきた。
アダマンタイト級冒険者の中に空間系のスキルを持つものが確認されたので中を拡張して避難させるのだろうと言うことだ。
それにはちょっと感心した。
最後の指示は襲撃が有ってからになる。
その間はこの国について情報収集をした。
目立つのは住民の笑顔だ。
子供達も元気に遊び回っている。
これはワルフィアでも普通に見られる風景だが。
僕は任務で帝国の街や征服された街などにも何度も行っているのでそのような街には無い風景にほっこりする。
そして、襲撃が遂に行われた。
僕の役目はあくまで戦力分析だ。
スタンリース国側に助力することでは無い。
DHである僕は……。
ススムさんの指示を違えることはない。
そして戦闘をみていた僕は思う。
アダマンタイト級冒険者パーティの強さを。
基本Cランク冒険者は連携をしない。
しかし、連携の取れた覚醒勇者がここまで強いとは……。
思い知らされた気分だ。
しかしそれ以上に衝撃だったのは帝国の秘密兵器と言われる人造魔人の脅威だ。
これは自分が加勢したところで多分どうにもならない。
そう思える程の強さだ。
多分人造魔人達はこれでまだ実力を出し切っていない。
この戦闘で何体かは倒れたが、すぐに復活するだろう。
ただこの映像はススムさんに直接届いている。
ススムさんならば対応出来るだろう。
僕は最後の指示通り結界を一旦復活させてオーブを設置した後、大爆発を起こしてアダマンタイト級冒険者達をアイテムボックスに回収した。
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